第2話訓練を始めました
そんなこんなで強くなることになった俺はどうやって強くなるのか聞いてみた。
「そうだね。まずは魔法からかな。その体だと鍛え過ぎて成長しなくなってもいけないし。」
………魔法ってあれか?詠唱とかして打ち出す厨二病全開のやつか?昔の黒歴史がよみがえってくる。そういうことを考えていると、
「ふふん。今詠唱いやだなって思ったでしょ。しなくても大丈夫だよ。するのが一般的だけど。」
よ、良かった。詠唱なんてしてたら俺の精神がもたない。相手の攻撃よりも先に精神的大ダメージをくらってしまうところだった。
「ていうかやっぱりお前の名前無いと不便だな。」
「そう?好きに呼んでくれて良いよ。」
「そうだな。う~ん…………」
ダメだ。全く思い付かない。前世では彼女いない歴=年齢だったから当然子どももいないし名前を付けたこともない。そして、前世の物語に出て来る妖精の名前も覚えてない。
こうなるともう関連付けて考えるしかない。俺の名前はカイだから…漢字にすると海か。となるとそれに並ぶのは空か陸のどちらかかな。色合い的に似ている空にするか。空の色を反射してるから海が青いって聞いたことがある気がする。まあ、いいかこれで。
「じゃあソラで良いか?」
「うん。そんなに考えてくれて嬉しいよ。」
ごめん、途中まで真面目に考えてたけど面倒くさくなって途中から適当に付けた節がある。そんなこと本人の前では言えないけど。
「で、魔法ってどうやって使うんだ?」
「その前にルールを作りたいんだけど良いかな?」
「良いけど…。」
鬼畜なルール付けないよな?不安だな。
「簡単だよ。一つ目僕が言う訓練を毎日真面目にやること。二つ目僕が一緒じゃない時にここを出ないこと。三つ目一人称を僕にすることと言葉使いを直すこと。四つ目人前に出るときは僕のことを隠すこと。以上だよ。」
「一つ目と二つ目は分かったけど、三つ目と四つ目はなんでだ?」
「三つ目についてはその体で喋っていることを考えてよ。四つ目は僕は君にしか見えないとは思うけど君が話すと独り言みたいになるからかな。僕もできるだけ人前で声は掛けないようにするから。」
うん?その体でって?そうか!今、幼稚園児くらいの体になってるんだった。確かにこの体で俺とか言ってたら引くわ。四つ目に関してはやっぱ妖精みたいな性質だな。妖精ではないって言ってたけど。
………
あれ?待てよ。この体どこから出て来たんだ?元の俺の体は死んでいるわけだし。前世の俺に似ているわけでもない。
そう思って色々体を調べていると
「ああ、その体は僕が作ったんだ。今5歳かな。イケメンになるように作ったから将来モテモテになるかもね。」
ソラは鏡を出して俺、いや僕に見せながらそう冗談めかしく言った。確かに顔立ちは整っているしこっから太ったりしなければ本当にモテモテになるかも知れない。ちなみに、髪や目は黒色のままだ。正直他の色だと本当に自分なのかと疑ってしまう。前世では彼女なんて面倒くさいしいらないって見栄を張っていた。
……………ただ単に相手がいなかっただけです。ごめんなさい。家に自分を支えてくれる人がいるなんて憧れるよ。ところでまだ魔法について聞いてない。
「魔法はどうやるの?」
「そうだね。まずは、魔法を使う時に使う魔力を感じて見ようか?魔力はこの世界に溢れているから感じようとするとすぐに分かるよ。」
取りあえずやってみる。するとなんとも言えないけど力を帯びているものがあるのが分かった。
「感じ取れたらそれを自分に集めるように意識してみて。」
そんなことが出来るのか。やってみるか。おお!?これは徐々に集まってくる。これは凄いな。イメージしただけで集まってきた。これはイメージすれば魔法も出るのか?試してみるか。
ボンッ
今イメージしたのは火。一瞬出たけど消えてしまった。それを見ていたソラは
「えっ?もう火出せたの?魔法の説明してないのに?」
なんか凄いらしい。すぐ消えたんだけどな。
「これで良いのか?」
「うん。上出来だよ。初めてで火まで出せるなんて思ってもみなかったよ。これから毎日魔力を集める練習をしてね。集められる量を増やすと魔法が安定するから。」
「わ、分かった」
面倒くさいなんて思ってないぞ。今回は努力するって決めたんだ。こんな初めから辞めたら前世と変わらない。そう思い毎日の訓練を始めるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます