第19話 魔核
魔蜊を倒した後、その巨大な体を調べ始めた。
「この魔獣には何か秘密があるはずだ」とシグヴァードが言いながら、慎重に魔蜊の体を調べた。
タイラーも同意し、「ああ、特に魔核というものがあると聞いたことがある。強力な魔力の源だ」と答えた。
ソルスティス大魔導師は魔蜊の体の中央部に目を向け、「ここだ、魔核はこの中にあるはずだ」と呪文を唱え始めた。「解放の光よ、封印を解け!」
大魔導師の杖から放たれた光が魔蜊の体に当たると、暗い紫色の光が漏れ出し、徐々に巨大な魔核が現れた。魔核は暗黒の魔力を放ち、その周囲には邪悪なオーラが漂っていた。
「これが魔核か…」タイラーが驚きながら言った。
シグヴァードはその魔核を見つめ、「この魔核がダミアンの手に渡ったら大変なことになる。何としてもこれを安全に保管しなければならない」と決意を固めた。
ソルスティス大魔導師は魔核に近づき、「私がこの魔核を封印する。だが、その前に調べておかなければならないことがある。この魔核にどのような魔法が宿っているのかを確認する必要がある」と言った。
彼は慎重に魔核を調べ始めた。すると、魔核の中から古代のルーン文字が浮かび上がってきた。
「これは…古代の呪文だ。非常に強力な破壊魔法が封印されている」とソルスティス大魔導師は驚いた表情で言った。
「それじゃあ、私たちはどうする?」タイラーが心配そうに尋ねた。
「この魔核を持ち帰り、安全な場所に封印するしかない。だが、それまでの間にダミアンに見つかるわけにはいかない」とシグヴァードが答えた。
その時、遠くから不気味な声が聞こえてきた。「見つけたぞ…お前たちが持っているものは渡してもらうぞ。」
シグヴァードたちは振り返ると、ダミアン・ナイトフォールが暗黒の魔法を纏いながら現れた。
「お前たちがこの魔核を手に入れるとは思わなかった。しかし、それは私のものだ。渡せ!」ダミアンは冷酷な笑みを浮かべた。
シグヴァードは剣を構え、「ダミアン、これ以上好きにはさせない!」と叫んだ。
タイラーとソルスティス大魔導師も戦闘態勢に入った。ダミアンとの戦いは避けられない。しかし、彼らは魔核を守り抜く覚悟を決めた。
「行くぞ!」シグヴァードが叫び、三人はダミアンに立ち向かった。
激しい戦いが繰り広げられた。ダミアンは強力な魔法を次々と放ち、シグヴァードたちはそれを必死に防いだ。
「これでは埒が明かない…」タイラーが息を切らしながら言った。
その時、ソルスティス大魔導師が冷静に、「シグヴァード、タイラー、私がこの魔核を封印するまで時間を稼いでくれ。私が呪文を完成させれば、ダミアンも手出しできなくなる」と提案した。
シグヴァードとタイラーは頷き、「わかった、任せてくれ!」と言ってダミアンに立ち向かい、彼の攻撃を防ぎ続けた。
ソルスティス大魔導師は集中して呪文を唱え始めた。「封印の光よ、暗黒の力を封じ込めよ…」
ダミアンはそれに気づき、「何をしている?やめろ!」と叫び、ソルスティスに向かって攻撃を仕掛けようとした。しかし、シグヴァードとタイラーがその攻撃を阻止し続けた。
「あと少し…」ソルスティス大魔導師は呪文を完成させ、「封印完了!」と叫んだ。
魔核は光を放ち、暗黒の力を封じ込めた。ダミアンはその光に包まれ、激しく咆哮した。「貴様ら…!」
しかし、ダミアンはそのまま姿を消した。シグヴァードたちは安堵の息をつき、魔核が無事に封印されたことを確認した。
「これで一安心だが、ダミアンはまだ生きている。次の戦いに備えなければならない」とシグヴァードが言った。
タイラーも頷き、「ああ、次は彼を完全に倒すために準備しよう」と答えた。
ソルスティス大魔導師は、「この魔核を安全な場所に持ち帰り、さらなる対策を講じよう」と言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます