2_20170602執筆分
暗がりの中を手探りで進む。
数分歩いた頃、突然、ライトが眩しく僕を照らした。
「座って」
低めのトーンの女の声。僕は狼狽する。
「早く」
女が急かす。僕は椅子がそばにあるのを認めて、慌てて座る。
「今からする質問に全て答えて。
警告しておくけど、決して嘘をついてはいけない」
「嘘をついたらどうなるんですか?」
僕は威圧的な調子の女の声に怯えながら聞く。
「死ぬより酷い目に遭うとだけ言っておきましょうか」
冗談じゃない。逃げ出したいと思ったが、
ライトの光が差しているこの周辺以外、一面暗がりの中で、どこへ逃げろというのか。
もはや降りてきた梯子の位置も分からない。
「分かりました、嘘偽りなく答えます」覚悟を決めて宣言する僕。よろしい、と女。
「では、最初の質問。あなたは男性ですか?女性ですか?」
「男性です」
「本当に?」
「本当ですよ」
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