第40話 『林間学校1日目っ!!』

到着っ!!…いよいよ始まる林間学校。

裏話だと元々夏休み前に行いたかったみたいだが共学になり、色々と課題が多かったらしい。

※先生情報


開会式の後に始まるのは…まずは最初はスコアオリエンテーリングっ!

スコアオリエンテーリングとは地図などを見ながらチェックポイントを通りゴールを目指すのである。


「班長は地図とコンパスを取りにきてくれっ!」


堂山先生がそう叫ぶ。その時、俺は気づく…


「そういえば、班長を決めてなかったなっ…」


「それは〜亜美ちゃんでいいんじゃない〜?」


綾瀬がひょっこりと顔をだした。


「確かに、なんだかんだ1番しっかりしてるよな…いいか?、三原…って三原?…」


俺は辺りを見回したが三原の姿がない。

えっ…まさか神隠し?…


「亜美なら、もう、さっきに行ったわよ…」


桐崎がジト目で言う。


「さっきって…?」


「はーい!地図とコンパス貰ってきましたよっ♡」


そう言って三原は地図とコンパスを抱えて戻って来た。いつの間に班長に…


「…青森が…班長でも…良かったかな?…」


俺の方を見ながら霧島が桐崎に聞く。


「アイツはダメよ、どこかボーッとしてるもの…」


「おい、桐崎?聞こえてるからな」


「聞こえるように言ったのよ」


髪をパッと触る。全く…なんで寺島はこんなやつを…どこも優しくな


「いっ!!」


何かを察したのか桐崎がグッと俺の手を押した。これは地味だが、めちゃくちゃ痛い。寺島…お前は何を見ていたんだ?…


「っ!!」


その時、俺は誰かの視線を感じた。嫌な視線だ。うっわ…鳥肌…俺は辺りを見回した。

桐崎は、バッと手を離し


「何よ、どうしたのよ…」


「えっ…あ…」


「青森…どうしたの…?…」


霧島が声をかけた瞬間、その視線が消えたように思えた。


「いや…なんか、俺の勘違いだったみたい…」


「ほらっ!皆さんっ!!さあ始めますよっ!」


三原が地図を配る…他の班も出発し始めている。


「あ、ああ…そうだな…」 


こうして俺たちのスコアオリエンテーリングがスタートしたっ!!


シューーーっ!!!


開始早々、三原が虫除けスプレーを周りにかけまくる。よく見ると三原は長袖でタイツを履いていて対策がバッチリだ。


「あら〜亜美ちゃん、すごい対策ね〜」


綾瀬は…そういうの気にしないんだな…

制服も半袖だし…


「美波さんは、平気なんですか…」


「別に〜私は、自然大好きだもん〜」


「いや〜…だからって半袖だと最近は危ないぞ?…ヤバい虫とかも多いし…」


俺がそういうと綾瀬は不安になったのか、カバンの中をゴソゴソと探し始めた。…何か持ってきたのか?…だが取り出したのは花火だ…


「えっ…」


霧島が引いた。


「何する気だ…」


「これで虫除け〜…」


「そんなもの持ってきちゃダメじゃないっ!没収よっ!没収…」


そう言って桐崎は花火を取り上げた。そして俺に花火を押し付けた。


「えっ…どういうこと?…」


俺が戸惑うと桐崎は堂々と…


「私が持ってると、もしバレた時、私が怒られるじゃない…アンタが持ってなさいっ!…」


「なんか、いつにもまして…あたりが強いな…」


そのあとは別に、たいした問題もなく多少の揉め事は、ありつつも楽しく活動できた。

そのあとは閉会式やお世話になるホテルへの挨拶などだ。1日目が一通り終わり夜食までは自由時間となった時、俺は先生に呼び出された。


「なんですか?先生…」


「この間、言えなかったことを言おうと思いまして…」


「この間…?…あっ!」


霧島が委員会で俺を呼びに来て中段になったあれか…よっぽど重要で…俺だけにってことか…


「それでどうしたんですか?…」


「桐崎さんについてです…何か変わったことは?」


「えっ…桐崎?…最近まで委員会であまり会ってなかったんですけど…今日は別に…いつも通りだったと思いますけど…」


多少あたりは強いとは思ったが…俺は別に違和感は感じなかった…何故か先生は黙っていた。


「なんか、あったんですか?…」


「…一応、彼女のこと気にかけといてください…」


「えっ…分かりました…」


その後俺は自分の部屋に向かった。なんだったんだろう…桐崎…林間学校にきてから桐崎の話が多いな…すると部屋の目の前に寺島がいた。


「あれ?…どうした寺島、違う部屋だろ?」


「青森君に話があったんだよっ!」


「なんだ?…」


「肝試し…桐崎さん、なんて言ってた?」


「あっ!…」


すっかり忘れてた。あんな個性強い奴らと同じ班だったからな…


「ごめん、まだ言えてないんだ…」


「…っぱり…」


寺島は床を見て小声で何か言った。


「えっ?…なんて…」


「いや、それならしょうがないって…こっちこそごめんね…自分で言えばいいだけなんだけど…」


「全然、平気だよ。気にしないで」


それだけ言うと寺島は去っていった。あんな感じだったら一緒に肝試しの時うまく喋れるのだろうか…そうだ。今、自由時間だから…電話で…その時、部屋のドアが突然開いて


「お〜いっ!!和也っ!どこ行ってたんだよ!」


「太田っ!」


「太郎が内緒でゲーム機持ってきたんだよっ!

皆んなでやろうぜっ!!」


「マジでっ!」


俺は部屋に入った…

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