第33話 『再びっ!!』

「…はっ!?」


俺が目を覚ますとそこは、見知らぬ天井…ではなく知っている天井だ。…俺の家か…あれ?

でも、どうやって運ばれたんだ…


ガチャ


俺の部屋のドアが開いた。


「あっ!…起きたんだ…」


「き、霧島っ!?…なんでここに…」


「…突然、倒れたんだもん…それで青森のお母さんに電話して車に運んで…ここまで送ってきたの…」


「そ、そうだったのか…わりぃ」


「…私こそ…ごめん…私が行きたいなんて…言わなければ…」


「いや、霧島のせいじゃない!…俺は男のロマンに負けただけだっ!」


霧島は呆れたような表情をしたがホッと安心し


「それだけ…元気なら…大丈夫そう…」


「ん?…それは?」


霧島はお盆にポテサラとスポーツドリンクをのせて持っていた。


「ポテサラ…?」


「うん…さっき作った…私はポテサラしか上手く作れないから…今のところ…」


ポテサラでサッパリ!って聞いた事ねえな…

こってりのラーメンの次にポテサラは、ちょっと…でもせっかく作ってくれたし…


「…じゃあ、いただいていいか?」


「っ!…うんっ!…」


シャリ


「なんだ!?…シャーベット??…」


「…そう!…ポテサラアイス…」


なんか不思議なアレンジをしてきたぞ!?…

霧島は、料理の本を読みながら


「私…料理って今まで…作ってこなかった…カップラーメンとかゼリー飲料で済ませてきた…」


「じゃあ、なんで急に作る気に?…健康に気を使うようになったのか?…」


すると霧島はバッと俺の方を見ると俺の鼻を指で豚鼻にした。…??


「…なんだよ?」


「…教えてあげない…」


そう言って…何故か笑う霧島…


バンッ!!


勢いよくドアが開き母さんが入ってきた。

また面倒な人が…


「あんたが倒れるからでしょっ!!」


「お、おいっ!俺は何も言ってないぞ!!」


心の中の俺と会話するなっ!…流石、母さん侮れん。

母さんは俺に耳打ちで


「アンタ、美波ちゃんをこの前、家に泊まらせて今度はヒカリちゃんとねぇ…いい度胸ね…」


母さんは霧島がいるからか静かな圧を俺にかける。


「いや、だから前にも言ったろ?…しょうがない事なんだよ…それに今日は実行委員の活動でたまたまなんだよっ!」


霧島は俺の顔を睨む。…えっ?何か?


「聞き間違い?…綾瀬さん…泊まった?…」


「っ!!」


まずいっ!…聞かれたら、厄介なワードを…

って聞かれてもいいのか?…いや、ダメだ!

綾瀬の問題を話すべきではないしな…

こうなったのは母さんのせいだ!…頼む母さん!…俺は母さんに顔で訴えた。

母さんは俺の方を見てコクリと頷くと


「訳あってね〜美波ちゃんが泊まったのよ〜

でも安心して何もなかったから」


「ば、ババアッー!!!」


俺は叫んだ。


「私はね、常に中立なの!どっちの味方にもならない。それが例え息子だろーとねっ!」


「いや、息子の味方でいろよっ!…ヒッ!」


霧島が見せてはいけない顔をしている…とんでもないオーラが…


「霧島…その顔…やめよ?…怖いから…」


すると霧島は自分の頬をパンッと叩き、俺の方を見た。…よかった〜いつもの霧島だ…


「…だったら…」


「…?」


「私も…とま…」


「?…とまと?…」


すると霧島はイラッとしたのか大声で


「私っ!…今日…泊まる…」


「ええええええええええええっ!?…」


なんだ!?何に張り合ってんだ?…そうかもしかして俺にモテ期が!?…


「もしかして、俺のこと好き…」


「…関係ないっ!!…」


いや…関係はあると思うんですけど…

母さんはニヤニヤしながら


「いいわよ〜親には連絡しときなさいね!」


「はいっ!…ありがとうございます…」


「何、言ってんだよ!母さんっ!」


「私は中立なの…」


綾瀬は一応事情があったが霧島は、どういう事で泊まりなんだ?…霧島は一旦服を取りに家に帰った。いや、家に帰るなら帰れよ…


「母さんっ!!どういう事だ!」


「はあー…まあヒカリちゃんは、不安なんでしょ?…アンタのことで…」


母さんは直接的な事は言わなかった…不安?…霧島が…そうか!綾瀬と付き合ってる噂だけでなく家にまで泊まったら特別試験がどうなるか不安なんだな!…まだ男だと俺くらいしか心開いてないらしいし…(太田しらべ)…

よし!ここは、いっちょ霧島を安心させてやるかっ!!








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