第32話 『素晴らしい提案っ!!』
今日のデートは一応…桐崎だが…今日は会議だし連絡しておこう。今日は委員会だからデートは無しで…と…そういえば桐崎の悩みって恋がなんなのか分からないって感じだったよな…
だが桐崎が恋を知れるイベント…そういうのがあってもいいな…するとトントンと後ろから肩を叩かれた。俺が振り向くと
プニッ
指で頬を刺された…
「普通、逆じゃないか?…」
「おはよ〜青森君〜」
綾瀬だ。綾瀬が呑気に笑っている。…ちょうどいい!綾瀬にも一応意見を聞いておこう。
「なあ綾瀬、知っての通り俺が林間学校の実行委員になったのだが…」
「そうなんだ~!頑張るんだね~」
「はっ!?」
綾瀬がファイトポーズをしているが、俺は素直にありがとうと言えなかった…俺が無理やり実行委員になったってのに!!…さては三原以外は、まだ聞いていなかったな!!
「どういうこと~?」
「つまり、お前は俺に感謝しなきゃいけないってことだ…」
「へ~?…ありがと~」
綾瀬は変なところで素直だな…
「話を戻そう…綾瀬は林間学校でやってみたいイベントってあるか?」
「ん~~…肝試しとか?キャンプファイヤーとか~…?」
「それは、もうでたな~…」
「じゃあ、青森君はどういうイベントを望んでるの?…」
「俺はカップルがいない生徒にも楽しめるイベントを…っと思ってな…」
「…っ!!」
すると何故か綾瀬は目を丸くして、なんか驚いてる様子だ。…まあ本当は桐崎の悩みを解決できたらいいなって事なんだけどな…流石に桐崎の悩みを話すのは、よくない気がするからな…
「まさか…青森君が皆のことを考えるなんて…どうしたの?…先生に脅されてるの?」
「綾瀬の俺のイメージがよく分かった…」
「でも、そうだね~だったらカップルじゃない人達だけで肝試しは?吊り橋効果みたいな…?」
「なるほどな…それはありだな!!」
「ありがと~」
「……」
この時、俺達を見ている一人の女子生徒がいることを知らなったのだった…
〜会議〜
「その案、ナイスですね〜」
「いい案だね!」
「確かに今のままだとカップルの人達しか楽しめなかったもんね…」
次々と皆が俺を称賛する…悪くない…悪くないぞっ!!まあ、影武者がいるけどな…
だがその存在を見破るものもいて…
「ねえ…青森…」
「なんだ、霧島…?」
霧島が俺の裾を引っ張る…
「誰が考えたの…あの案…」
「えっ?」
「だって…青森っぽくないような…」
やっぱりバレてしまうのだな…流石、彼女ってところか…俺は綾瀬のことを打ち明けた。
すると霧島は頬を膨らませ
「ふ〜ん…仲が良いんだね…同じ委員の私には相談しなかったくせに…」
「えっ?…」
もしかして嫉妬?…ってことは霧島は俺のこと…霧島はギッと睨らんだ後、がっかりした表情をみせ
「私って…そんなに…頼りない…?…」
なるほど、頼られたかったのか…それもそうだな、同じ実行委員だし、俺を手伝いたいと言ってくれてたし…
「そういう事じゃなくてな…たまたま今日の朝に会ったんだよっ!だから、聞いてみただけだっ!他意はないっ!!」
なんか、これ本当のカップルっぽいやりとりだな…霧島はフイッと顔を逆方向に向け
「…なら、いい…」
この時の霧島の表情がどんな表情だったのか俺は知ることはなかった…
〜〜〜
「今日はいつもより早く終わったな…」
「…そうだね…決めることも大体決まったし…」
「じゃあ、帰るかっ!」
「…うん」
この時も、また1人の女子生徒に見られていたのだった…
「…ねえ、青森…お腹空かない?…」
「えっ?…」
「ほ、ほら!…デートって事にして申請しちゃえば夜ご飯タダで食べれるなーって…」
「なるほど…霧島、確かに一理あるな」
「だったら…私、あれ食べたい!…」
「こ、これはっ!!」
………
「うっぷ…腹がちぎれそうだ…」
「だから…無理だって…言ったのに…」
「無理と言われると挑戦したくなるのが男ってもんだろ?」
「…知らないよ、そんなの…」
でも、まさか霧島がラーメンが好きだとはな…
あんなに凄いトッピングのラーメンをペロリと平らげるとは…俺は無理して特盛にしてしまった…うっ…ダメだ…こんな時は辺りを見よう。
「懐かしいな…」
俺は何気なく言ってしまった。
「…懐かしい?…お腹がちぎれそうな事?…」
霧島は首を傾ける。
「違えよっ!…俺の初恋の子と遊んだのもここら辺だから…」
霧島は目を丸くする…それはどんな意味が込められているのだろうか…
「…そっか…見つかるといいね…」
霧島は微笑んだ。だが俺はその顔?に違和感を覚えた。なんだろう…前にも、どこかで…??
いや…頑張って笑顔にしてる?…いや…
「青森?…青森っ!!」
俺は決して…ラーメンの、せいではなく…疲労…そうっ!!…日々の疲労で倒れてしまったのだったっ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます