第29話 『4連単のダサっ!!』
「で?感謝ってどういう風な感じ?」
「私が奢ってあげますっ♡」
「おお!!…って全部学校に申請すればタダじゃねえかっ!!」
「あっ!バレちゃいました?…テヘッ♡」
三原は頭をコツンと叩いた。…全く…まあ今回は三原に任せるか。俺は三原の行く方に無抵抗でついて行ったが…
「…ここは?」
「見て分かりませんか?…ここは服屋ですよ〜」
「それは見たら分かるけど!!…なんで、ここなんだって事だっ!!」
三原は俺にスマホの画面を見せてきた。
俺は三原のスマホを覗き込む。
「林間学校…?」
「はい、今年最後のイベントですっ!」
「最後?文化祭とかは?」
「センパイ…今日のホームルームなんにも聞いてなかったんですね…」
「…当たり前だっ!今日はずっと寝てたからな!」
三原は全くと肩を落とし
「…いいですか?まだ共学か、されて日が浅いから調整できるものとできないものがあるみたいなんですよ。保護者のクレーム対応とか、なんとかで…」
「…なるほど」
確かにな、クレームとかは多そうだな…俺は綾瀬のお母さんの顔を真っ先に思い浮かべた。そういえば綾瀬は、あの後大丈夫だったのだろうか…!!…いかん!いかん!デート中に他の女子を思い出すな!
「でも、なんで服選び?…しかも俺のだろ?」
「いや、なんかセンパイがもっとオシャレになってほしいな〜って…」
えっ…コイツ遠回しに俺にダサかったって言っているのかっ!?…確かに三原はオシャレだったし…なるほど、気遣いって訳か…それが感謝デートってわけか!!
「分かった!選んでくれ!!」
「は〜い〜!」
まあ、別にセンパイがダサかった訳じゃないんですけどね…何かを私が渡した物を見て私を思い出してもらいたいみたいな…策なんですけど…気付かないですよね〜…
〜〜次の日〜〜
散々迷って、俺は一着の服を買ってもらった。まあ、申請したから無料なんだがな…
そして今回のデートは桐崎だ。俺が少しでも油断すると桐崎は、すぐ帰ろうとした。
…ったく、コイツは、いつもいつも
「お前は少しくらい協力しろよ…」
「…フン…じゃあ私のプランに付き合いなさいよね…」
コイツ…最初から俺が追いかけてくる事を前提に行動しやがって…
桐崎は俺を服屋に連れて来た。えっ…
「服、選んであげるわよ…」
「えっ!?…」
俺…そんなに服がダサかったのか??…えっ…かなりショックなんだが…
「…どうしたの?」
「…いや、分かった。選んでくれっ!!」
こうして俺は一着の服を手に入れたのだった。
〜〜さらに次の日〜〜
今日は綾瀬とのデートの日だ。綾瀬は、行きたい場所があると言ったので俺は、ついて行くことにした。
「…なあ、あの後、大丈夫だったか?」
「…うん…大丈夫だったよ〜ありがと」
綾瀬は笑顔だった。…なら良かった。
すると綾瀬が来た場所はまさかの…
「えっ…こ、ここは…」
「?…服屋だけど」
えっ!?…嘘だろう…まさかの3連単!!…後で本屋で流行のモデルを見なくちゃ!!
「選んでくれるんだろ?…よろしくお願いします…」
「は〜い〜」
こうして俺は服を、もう一着買った。ちなみに雑誌も、買って…
〜次の日〜
「なあ…霧島…」
「…どうしたの?…」
「俺ってダサいのかな??」
「…何その質問…」
「正直に答えてくれっ!」
霧島は考える間も無く即答した。少し赤らめながら
「…かっこいい…よ…」
「ほ、本当か?」
「…うん…」
「じゃあ、なんでさ俺達は服屋にいるんだい?」
「えっ…それは青森の服を選んであげようと…」
ってことは結局ダサいんじゃねえーかー!!!
…俺は、また新しい服を手に入れたのだった。
〜次の日の職員室〜
ガラッ
「失礼します…」
「来ましたか…」
俺は職員室に呼び出されていた。先生は申請用紙を見ながら
「青森さん…あなた服ばかり申請があるんですが…」
「いや、俺も聞きたいですよ…そんなの…」
「…?…まあ、いいでしょう、今日のところは多めに見ましょう…」
「あの…先生1つだけ聞いてもいいですか?」
「はい?…なんでしょう…」
「俺の…あの時…」
〜〜〜〜
ガラッ
俺は職員室を出た。…これで1つの可能性が出てきた。もしかしたら、あの子が山田花子なのかもしれない。だがもう1人疑わしい子がいる…
「センパ〜イ〜!」
手を振りながら三原が近づいていきた。
「あれ?…どうした三原…」
「いや!今日は私とのデートですよ!!どうして、いつもいつも忘れてるんですかっ!!」
「今日は…??」
「「!!!」」
俺と三原が振り返るとそこには太田の姿が…
「どういう事だよ…今日はって…お前、綾瀬さんだけでなく三原さんとも付き合ってたのか…それに交代制ってことか??…」
大体の推理は合っている…さあて、どう誤魔化すかなっ!!…
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