第21話 『新たな予感っ!!』

「ふぁ〜〜!!…」


夏休みの初日が終わり俺はようやく本当の休みをむかえた。遊び疲れたから俺は早寝遅起きになった。クーラーのついた部屋で昼に起きる俺…怠惰だ。

親は、まだ会社があるので今日、俺は家1人!

戸棚のカップラーメンを取り出しお湯を沸かしたいると


ピコンッ!


急にスマホが鳴った。母さんからか?それか…もしかしてアイツらか?パッとスマホの通知を見ると俺はスマホを落としそうになった。


「山田花子っ!!」


いつの間にかあっちからもフォローされ相互フォローになって以降なんの進展もなかった…あの山田花子からっ!!…俺はスマホを開いた。


「…ラムネの写真?…っ!…この場所って昨日のプール!?…」


やっぱり…あの4人の中に…そして初めてコメントも書かれている。


「私を探さないで、いずれ話すから…」


えっ…俺は、どうすればいいんだ??探さない方がいいのか?…でも、だとしたら、いずれって…


「仕方ない…不本意だがヤツに頼るか…」


どうせ夏休みでも上手くいってないであろうヤツに…俺は電話をした。また休みは潰れるのか…


〜〜お馴染みのファミレス〜〜


「聞いてくれよ〜!!和也〜!!!」


太田は来て早々、俺に相談をしようとしてきた。


「あのな…呼んだのは俺の方なんだけど?」


「はあ〜??俺が誘うと断るくせにお前の誘いを快く引き受けた俺に褒美をくれよっ!!」


「…分かったよ…で?どうせ、また彼女と上手くいってないって事なんだろ?」


「おいっ!俺をなんだと…」


「じゃあ違うのか?」


「そうです…」


「で?何をしたんだ?」


「やっぱり仲良くなるには俺の趣味を言う事が大事だと思ったんだよ。だから俺がどんなタイプが好きかとか色々と話したんだ。」


「まさか。他の女子の話をしたのか?」


「ああ…そうだけど??」


「アホか…デートで他の女子の話は大抵NG…常識だぜ?」


「!!…まさか、お前にそんな事を言われるとは…」


まあ…俺も最近知ったんだけどね…

こうして俺は1時間くらい太田の相談話しに付き合わされたのだった…


〜〜〜〜


「で?…和也はどうしたんだよ?」


「実は山田花子から連絡があってな…」


そう言って俺は太田に写真を見せた。

太田はうーんと少し考えて口を開いた。


「……こうなったら探さない方がいいんじゃないか?」


「…まあ…そうだよな…でもよ…」


「じゃあ聞いてみたら、どうなんだ?山田花子によ…相互フォローしてんだろ?」


「ああ…そうだよな…」


こうして話を終えた俺達は…なんか太田の相談の方が多かったような…そんなこんなで俺は家に帰った。


〜その夜〜


山田花子は何を考えているんだろ…俺はスマホを取り出しメッセージを送った。

いつ頃なんだ?…と

その時…何故か俺は、山田花子と会う前の引っ越し先で出会った少女を思い出した。1ヶ月くらいしかいなかった学校で委員をやったあの子…


「なんでだろ…急に…」 


ガチャッ


「ん?」


いきなりドアが開いた。えっ…!?


「か、母さん!!」


「あんたヒカリちゃんとはどうなのよ?」


「は?どうなのって…」


「だって最近、来てないから別れたんじゃ…あんた何したの?」


「別れてないよ…それに原因を俺って決めつけるなよっ…」


「母さんねっ!夏祭り…今回は和也にも手伝ってもらいますからね!」


母さんは、いつも爺ちゃんの付き添いで夏祭りの手伝いをしている。俺も昔はよく行ってたが成長するに、つれ行かなくなった。言い訳としては今の家が、たまたま爺ちゃんの祭りに近いだけで前は遠かったからな…ここまで来るの…


「え…まさか」


「もちろんヒカリちゃんも一緒よっ!」


母さんは元気よく言う…せっかくプールデートを終え、しばらくは1人でゴロゴロできると思っていたのに…人生は上手くいかない。


「もし嫌だって…」


そう言いかけた時、母さんはスッと俺の顔に近づき


「そんな事させないけど?」


うっわ!こっわ!笑顔なのがまた怖い…俺は逃れられない事を悟った。こうして俺の夏祭りデートの予定が夏の終わりの方に入ってしまったのだった。



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