番外編 『女子会っ!!』

〜次の日〜


麦わら帽子に半袖のシャツに半ズボン…組み合わせは少し変なのかもしれない…でもこの格好で私はデパートまで来た。


「誰も…いない…私が1番か…」


私はカフェオレを飲みながら日陰のベンチに座って待っていた。…もう少し甘くていいな…


「あっ〜!ヒカリさ〜ん!!」


そう言って三原さんが手を振りながら歩いて来た。肩出しのトップスでよく似合っている…


「その服…いいね…」


「ありがとうございます♪三原さんも、その麦わら帽子おしゃれですねっ♡」


「あ〜二人とも〜」


白いワンピースでアイスを食べながらゆったり〜近づいてきたのは…そう…綾瀬さん


「綾瀬さん…可愛い…」


「え〜♪褒めても何もでないよ〜」


するとジッと私を見る三原さん…


「何…?」  


「私には言ってないですよね?可愛いって…」


「えっ…」


「もしかしてヒカリさんって、女たらしですか?」


「私…女だけど……」


え〜…まさかこんな事になるとは…人と話すのって難しい…


「あれ〜?私が最後か?」


「おぉ〜あいかちゃん〜!」


桐崎さんはシースルーシャツを着ていた…みんな…おしゃれ…私も少しおしゃれの勉強…しよう…かな…


「よし!全員そろったなら行きましょう!!」


「…本当に…行くの?…」  


「どうしたのよヒカリ?怖気付いて…あんた1着も持ってないんでしょ?」


「…そうだけど…」


「あんた達は持ってるの?」


三原さんは人差し指を口に当てながら


「私は毎年買ってますね」


「凄い…女子力…」


「美波さんは?」


「私はスク水かな〜」


「「「えっ……」」」


「へ?……」


〜水着ショップ〜


「うっわ…す…すごい……」


「そんな布面積少ないのにするんですか?攻めますね…」


「えっ…違っ!…攻める?」


三原さんは人差し指を立てウィンクをしながら


「センパ…青森さんのアピールっ♡」


「違う違う!これにしないっ!!……三原さんは青森にアピール?」


「そうですね〜少し頑張らないとって思うんですよっ!」


そう言いながら、あっちにいる女性を指差した。


「えっ?…綾瀬さん…?」


「そうですよっ〜!学校の皆んなは綾瀬さんとセン…青森さんが付き合ってるってなってるんですよっ!!」


「でも…それは青森の悪い噂をこれ以上大きくしない為……」


「そう言って譲ってていいんですか?ヒカリさんは??」


「えっ…私は……って三原さんは好きなの?」


「好きなのかは…まだよく分からないんですけど……なんか今の状況は嫌なんだすっ♡」


そう言って三原さんは水着を選びに行った。

私の気持ち…私は…どうしたいのか……

よしっ!!


〜〜それぞれ買い終わり〜〜


皆んなどんなの買ったんだろ?…各々見せずに買い当日のお楽しみという事になった。…その後も服を買ったりお茶したりした…


「よし!それぞれ目的の物を買ったしお昼でも食べましょうか」


「やっぱり、あいかちゃんは食いしん坊だね〜」


「違うわよっ!…お腹が空いただけ!!」


それを食いしん坊って言うんじゃ……ひっ!なんか見られた気が…


〜スイパラ〜


「おおっ!美味しいですね!!写真っ写真〜」


三原さんはスマホでパシャパシャ撮っている。


「うん…甘い!…」


「やっぱり〜美味しい〜」


「えっ…行った事あるの?」


少し驚いたように桐崎さんが質問した。


「うん〜。青森君と〜」


「「っ!!へー…」」


すると何故か桐崎さんだけが何も言わずケーキを取りに行った…どうしたんだろ……


「綾瀬さんは…青森の事、好きなんですか?」


「えっ!!どうなんだろうね〜え…あはは…」


「なんか…美波さんらしくない反応ですね」


そっか…もしかして皆んな…青森のこと…

すると桐崎さんが大量のケーキとパフェを持ってきて帰ってきた。桐崎さんはムスッとしながらケーキを食べる。えっ、なんか表情が違う気がする…


「すご…」


「あっ!そう言えば皆んなで写真、撮ってなかったですねっ!」


「確かに!そうね!!……」


もぐもぐしながら桐崎さんが言う。


「じゃあ撮ろう〜」


パシャッ!!


「いいね…」


「あっ!私の口にクリームがついてるっ!」


「それもいい思い出になりますよっ!」


「いい写真〜後でグループに送っといて〜」


その後の会話は当たり障りなく…でも楽しい話だった…そしてスイパラが終わると今日は解散した。


〜その夜〜


ガチャ


「ただいま…」


「おかえりーヒカリっ!何買ったの?」


姉さんが棒アイス食べながら玄関にきた。


「…水着」


「えっ!…み…水着!?もしかして青森君と!?」


ここで「うん」って言ったらまずいような気がする…


「いや…女友達…今日も友達と買いに行ったし…」


嘘は言ってない…青森と行くのも事実だけど友達とプール行くのも事実だし…


「そっかー…あのヒカリちゃんが友達と…お姉ちゃん感激っ!!」


姉さんは泣きながら言う…確かにいろいろと迷惑かけてたもんね…


「姉さん…」


「んー?」


「ありがとっ…」


私がそう言うと姉さんは私にギュッと抱きついてきた。


「うわーんヒカリー!!お姉ちゃんとも遊んでねー!!」


「ふっ…何それ…」


少しずつ…前よりは変われてる気がする…きっかけは…青森のおかげ…私…やっぱり…青森の事…

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