第17話 『予定確保っ!!』
「問1の因数分解…やり方はあっているが計算が間違っている…ここの掛け算は…」
「うっ…」
「ここのXは二乗だよ〜」
「…ってなんで私、青森だけじゃなく!綾瀬からも教わってるのよっ!!」
「だって図書室で勉強してるんだもん、それに本を借りる人が減ったから仕事もそんなにないのよ〜」
俺の方を見ながら綾瀬はウインクをした。??
まさかっ!俺が綾瀬と付き合ってるってなったから綾瀬目的の男子生徒がいなくなったってことか!?
「…なんだよ?」
こういう事は頭の回転が速いのか桐崎はじーっと俺を見ていた。全く…勉強に使って欲しいものだ。
「何か言った?」
「いいえ…別に」
鋭い…はあーこんなんでうまくやっていけるのか…心配だ。
だが意外にも桐崎は毎日図書室に通い俺と綾瀬から指導を受けた。
そして時は流れ…
〜試験結果配布日〜
桐崎は俺より先に図書室で待っていた。はたして結果は??…とドキドキする事はなかった。何故なら桐崎の顔は笑みが溢れるのを必死で我慢している顔だったからだ。
「よかったのか?」
「じゃーーん!!」
数学39点、物理42点、科学50点…ギリギリな科目もあるけど…でもこれで!!
「赤点回避ーー!!!」
「よくやったなっ!!」
「図書室はお静かに…でもおめでとっ!あいかちゃん〜」
「っ!!……綾瀬!!」
「ありがとう!美波っ!!」
あれれ〜おかしいぞ?…えっ…俺は?俺に感謝の言葉は??ったく…でも桐崎らしいか…
と思ったが桐崎はスマホを握りながら俺に近づいてきて
「私の努力のおかげもあるけど……あんたのおかげだわ…ありがとっ!」
「これがツンデレってやつか!」
「は?調子、乗るんじゃないわよっ!」
って…そう言えば桐崎が俺に怒っていた原因はなんだったんだ?三原が言うには面倒くさい…
ダメだ、さっぱり分からん。まあ今は良しとしよう…忘れてるっぽいし!
「あと連絡先っ!!…教えなさ…教えてよ…」
桐崎があまり見せない上目遣いでこちらを見てくる。おぉ…って
「そ…そうだったな」
こうして俺は4人全員の連絡先を入手し全員赤点回避に成功したのだった!(別に3人には勉強を教えていないが…)
「そうだっ!」
綾瀬が手をパンと叩いた。
「?」
「あ〜あ、あれね…」
えっ…桐崎は知ってるの?知らないの俺だけ?俺は帰ろうかな…
〜〜〜〜〜〜
赤点回避を記念して俺達5人はファミレスに来ていた。
「夏が来きますよっ!!」
三原はドリンクを飲みながら言う。意外にも俺達5人の中で1番成績が良いのだった。
「まさか…桐崎さん…回避できたとはね…」
霧島は、あ〜んまいコーヒーを作って飲んでいる。そんなに砂糖とミルクを入れたら…もうコーヒーなくてもいいだろっ!
「いろいろあったからね、ありがとう美波!」
ファミレスで1番?高いステーキと大盛りご飯を食べながら言う。やっぱり太…
「るっ!!」
「青森もありがとねっ!」
足がっ!…よく足を踏まれる俺氏…なんでコイツは心の中を読むことができるんだよっ!
「いや〜あいかちゃんの力だよ〜」
綾瀬はスープバーでワカメスープを飲んでいる。皆んな頼む物はバラバラだな…ちなみに俺はティラミス。
「それで?なんか用があるんだろ?」
「そうなんですよセンパイ!ほらヒカリさん!あれ!!」
霧島?霧島がどうかしたのか??まさか新しい彼氏が!?…
「これ…回避記念でもらった…」
ちょっとっ!!そういうのは回避を頑張った桐崎か俺か綾瀬に渡せよ…あの教師!!…怖いから言わないでおこう。
霧島が見せたのはプールのチケットだった。
ちゃんと5枚…えっ!?ま…まさか…
「夏休みデートに役立てて欲しいんですって」
「だから皆んなで行きましょう!」
冗談じゃない!男1人に女子が4!?知り合いに見られたら外に出れない!ここは反論をしなければっ!
「各々のデートの時に行けばいいじゃないか!全員で行くなんて…」
「センパイ…チケットは5枚しかないんです。つまりは1人1枚しかない。しかし!各々行くとなるとセンパイだけでチケット4枚必要なんですよ?」
「っ!そ、そしたら俺が自腹で…」
「は〜い!と言うわけで5人で行こう〜!」
綾瀬に強引に話を終了させられちまった。
ああっ!もう分かったよ!!
行くよ行きますよっ!!
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