第14話 『ミッションっ!!』
〜〜放課後〜〜
この後、俺は初めて女子の家に…なんか緊張してきたな、そうだ!ご家族の方への粗品を持っていた方が良いのでは!?…それと今日は驚いたことがあった。
昨日、綾瀬に告白してきた男子生徒に、はなったあの発言で俺は綾瀬と付き合っていて他の女子は友達という事になっていた…凄まじい影響力…だが太田だけが変に疑っていた、俺が綾瀬と付き合える訳ないって…ヤツだけは、そう確信している。付き合ってる事は事実なんだけどな…
ピコンッ!
スマホが鳴った。霧島は校門裏で待っているらしい。俺は急いで向かった。
校門に着くと霧島は俺の顔を見るなり勢いよく詰め寄ってきて…
「ねえ…綾瀬さんの件…どういう事?」
いや俺も、どういうつもりで言ったのかは知らないんだが…
「あ…綾瀬が俺の悪い噂が広がるのが嫌だって…言ってさ」
「ふ〜ん…そう…それだけ?」
「だけとは?」
「ならいい…」
あれ?ちょっとムード悪くなってない!?
綾瀬〜!!どうしてくれる!!
「ほら、早く行こうぜ!!」
そう言って俺は強引にこの話を終わらせた。霧島の家に行く前に俺達はコンビニによった。
「…どうしたの?」
「いや、これから霧島の家に行くだろ?もしかしたらお姉さんとか家族の人に会うかもしれないし手土産の1つでも…」
「大丈夫…今日…誰もいないから…」
「え…」
それはそれでまずいのでは??コイツ…無警戒なのか?霧島はだったら手土産はいらないねと言わんばかりにコンビニを出た。俺も出ることにした……霧島の家。あの時、家の場所を先生に聞いて霧島の登校時間をお姉さんが言ってくれて…俺が過去を振り返っていると
ガチャ
「…入らないの?」
「え…あ…ああ!」
どうか何事もありませんように…今日の俺は、紳士でいるぞ!!
リビングに行ってみると…まあどこの家のリビングもそんな大差ないが異性の家ってだけで変な緊張があるぜ…
だが霧島はそんな事、気にせずに自分の部屋に行ってしまった。えっ…俺は…待っとけばいいんだよな。
〜10分後〜
「お待たせ…」
霧島は部屋着に着替えきた。なんかラフな格好すぎる気がするが…まあ霧島だ。気にしないのだろう。霧島はエプロンをしながら
「青森はカレー、ハンバーグ、肉じゃが…どれが食べたい?…」
「ん〜…じゃあ肉じゃがっ!!」
霧島はスマホを取り出し画面を見ながら料理をしだした。料理が苦手な人でもスマホを見れば確かに上手くできるな…って俺は何を??
「あの〜俺は何をしたら…」
「…そこで待ってて…」
つまりは味見係ってことね。それなら得意分野だ!
「なあ、霧島はさ…」
「話しかけないで…今は真剣…」
「あっ…はい…」
まさかの私語厳禁!!俺はリビングで仕方なくテレビを見ることにした。俺…今日何してんだろ…味見くらいだったら明日の昼休みに持ってきてくれればいいのに…
〜30分後〜
今思えば、肉じゃがは煮込むという時間がかかってしまう料理…カレーも同じく…ってことはハンバーグにすればよかった…まあ時すでに遅しなんだけど…あっ寿司が食いたくなってきた…
ガチャ!!
「!!」
霧島の家のドアが開き、
「たっだいまー!!」
お姉さんが帰ってきた!!…まあいいか…ってちょっ…なんだ!?
「なんだよ??霧し…」
リビングのドアがバンッと開き
「ヒカリ〜!!今日は友達との用が早く終わっちゃって…って、あれ?ヒカリ…テレビはつけっぱなし、それに…!!…料理っ!?あのヒカリが!?」
おい…これは見られたら、とても、とっても、とーーーっても、まずい状況なんじゃないか?俺と霧島はリビングのもう一つのドアを使い、なんと…トイレに隠れたのだ!!
「おい…霧島!なんで隠れる必要があったんだよ?」
「…なんか…ちょっと……私にも分からない…体が勝手に…」
中二病かっ!!…だがもう時期、夏という、この猛暑日…に、狭いトイレの個室に男女が2人…絶対バレるな!!ミッション…始動!
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