第13話 『問題っ!!』
「俺が…助ける理由…」
俺はかつて俺を助けてくれた…あの子のようになりたいから…だが、あの子もここまでするだろうか……ん〜なぜだろう。
「んーー俺が助ける理由…」
俺が考え込んでいると綾瀬は、じーっと俺のことを見つめていた。
「あの…綾瀬?なんなんだ…急に」
「私は聞きたいの…そこまでする理由って?」
俺は苦し紛れな言い訳しか思いつかなかった。これしかいうことないな…
「か…彼氏だから!当然だろ?」
流石に誤魔化せないか…?…だが綾瀬はニッコリと笑い
「そっか〜確かに!彼女のピンチはほっとけないもんね〜」
な…なんとか耐えた!!でも油断は禁物だ…次までに答えを考えとかないと。俺が自分を犠牲にしてでも助ける理由を…
「あのさ…綾瀬は俺を助けてくれたのか?」
「うん…このまま青森君に変な噂が大きくなったら嫌だから…」
綾瀬…ん?待てよ…
「でもさ、あの言い方だと綾瀬と付き合っていて他の3人は仲の良い女友達ってことにならないか?」
三原の事は言ってなかったが時間の問題だろう…つまり俺は綾瀬と付き合ってるという噂が今度は学園中に!
「!!…ごめん〜、つい勢いで〜」
勢い…綾瀬があんなにムキになるなんて、いつもはおっとりとしているイメージがある…まさかっ!?俺の運命の人は…くそっ!4人共運命の人に見えてくるぜ…ってか本当にあの4人の中にいるのか?
「お〜い?青森君〜?聞いてる?」
「あっ!…悪い…なんだって?」
近い近い!顔が…!!綾瀬はやっぱりマイペースだな。
「だから今からデートしようよ〜せっかくだし…亜美ちゃんも帰っちゃったみたいだし」
確かにな…それに綾瀬は俺に好意を持っている!このチャンスをいかさなければ!!
「そうだな…行きたいところとかあるのか?」
するとその発言を待っていたのか、綾瀬はすぐに即答した。まさか…意外と計算高い!?
「私さ!実はここに行ってみたいの!」
そう言いながらスマホを取り出し俺に見せた。その画面は…!!
「このスイパラ行きたいな〜」
桐崎と行った…あのスイパラ!はっきり言うと俺は甘いものがあまり好きではない…だから桐崎がケーキを取りに行っても俺はカレーだけ食っていたのだ。なんか金だけを失った気がした。
「スイパラはちょっと…」
「え〜〜〜!?」
はっ!!このままじゃあ好感度が!!仕方ないな…
「まあいいぞ…行こうか!」
またカレーとかポテトを食べればいい話だ…うん…バイトはしよう…
〜〜夜〜〜
「うっぷ…お腹いっぱい…」
まさか綾瀬がおすすめのケーキを食べて欲しいとか言い出すとは…無理をしすぎてしまった…
俺はそのまま死んだように寝たのだった。
〜〜〜〜
その日、夢を見た…あの時の思い出の夢を…
小学校の時の俺は父の仕事の都合で引っ越しばかりだった。だから友達ができてもすぐに別れてしまう、別に1人になる事はなかった。…友達ができたと言っても期間が浅いため本当の友達はできなかった…
そんな時…
ピーンポーン・ピンポーン
まだ引っ越したばかりで友達ができてない、この地域で1人の少女に出会った…
〜〜〜〜
「はっ!…夢か…」
気づくともう朝だった。俺はスマホで山田花子のアカウントを見た…
「更新なし…か…」
あれ以来の更新はなし…もしかすると山田花子は俺と会うことを拒んでいるのか?…でも、だったらあの時の投稿は…気まぐれ?
ピーンポーン・ピンポーン
「!!」
インターホンが!?…すると母さんがバタバタと階段を駆け上がり思春期男子の部屋をノックもせずに入ってきた。
「ちょ…ノックし…」
「そんな事より!ヒカリちゃんが来てるわよ!!」
ヒカリちゃん!?いつの間にそんなに距離をつめたんだ??このおばさん…
「な・に・か・言・っ・た??」
「いえっ!何も!!」
俺は急いで顔を洗い着替えて朝食を食わずに家を出た。だが案の定…
ググー
「お腹空いたー…」
「なら、これあげる…」
霧島はバッグからゼリー飲料を取り出した…なんとなく霧島のイメージにあうな…って
「どんだけ持ってるんだよっ!」
バッグの中には大量のゼリー飲料がっ!!おいおい店でも開くきかよ…
「霧島…あんまりゼリーばっかはよくないぞ?」
「朝だけ…だから平気…」
「いやでも毎日は…」
「…だったら料理…作ってみようかな…」
「あの時のポテサラは?」
「コンビニのやつをお弁当箱に入れた…だけ…」
…相変わらず口数は少ないがだいぶ話せるようになったぞ!このまま問題なくデートをこなせるように…
「…今日は私の家…来て…」
「えっ!?」
少しずつ仲は良くなっているとは思ったが…え…家!?…固まる俺を見て霧島は顔を赤くしながら
「料理っ!!…作ってみるから…!!」
「ああ…そういう事か…」
えっ…でもそれでもつまりはお家デートって事だろ?問題なく…何事もなく…こなさなければ!!
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