第10話 『恋はトラブルっ!!』

職員室から出た俺は今日のデート相手の所に行った。正直、警戒はしている。1番行動が読めない女…


「センパ〜イ!!」


目の前に現れた女子が手を振りながら俺に近づいてくる。…噂をすれば


「おはよう…三原」


すると三原はムッとほっぺを膨らませた。


「なんですか?センパイ…その態度、言っときますけど今日は私の彼氏なんですからね!」


三原亜美、問題点…浮気。あの4人の中で1番悪いと思う彼女は確かに喋りやすくモテるのだろう…だからってな…


「放課後にな!放課後にデートだから、今はいいだろ?な?」


こんな所、太田に見られる訳にはいかない!俺は早々に三原から距離をあけようとした…だが三原はそんな俺を察しったのか、ニヤリと笑い


「そうだ!!センパイ、お昼は一緒に食べましょうね!」


「は?…」


「だってカップルですし♡」


まあ…確かに、しょうがないか…協力しあわなきゃいけないしな。


「まあ、そうだな…分かった。」


「じゃあセンパイ!メアド交換しましょ♡いろいろと連絡必要ですし!」


「それはそうだな…」


そういえば交換してなかったな…こうして俺は三原と連絡を交換したのであった。


交換しおえて、三原と別れた後すぐに俺は声をかけられた。


「青森…」


「あっ!霧島!!」


なんで逃げたのか不明の霧島がいた。霧島はスマホをスッと取り出し


「私とも…交換しよ…」


相変わらずクールで無口っぽいが親密度は少しずつ上がってるみたいだ。


「おう!しようぜ」


こうして俺は1日だけで女子2人と連絡を交換したのだった。


〜昼休み食堂〜


交換し早速、三原から連絡が来た。

屋上で待ってるらしいので俺は食堂に向かおうとすると…1人の男が


「よっ!青森!!一緒に食おうぜ!」


前日の冷め切ったデートをしていた太田ではありませんか!!


「悪いな、今日は先約があってね…」


「お前っ!まさか霧島さんかっ!」


「さあな…」


「まさか…桐崎さんかっ!?」


どっちも違います…とは言えないよな…

俺は吠える太田を無視して屋上に来ていた。


〜屋上〜


屋上のドアの建て付けが悪いからって簡単にドアが開いちゃうなんて…学校を訴えたら勝てるんじゃないか?


そんなくだらない事を考えながら屋上に行くと三原はルンルンで弁当を広げていた。どうやら料理も上手らしい。


弁当には卵焼きや唐揚げ、キンピラなど美味しそうな物が敷き詰められていた。


「はい、センパイ♡あ〜ん」


これは恋人がよくやる鉄板のシチュエーション!!…が!!


「そうやって好感度をあげているのか?」


コイツがやると話は別だ…すると三原は無理やり俺の口の中に唐揚げを押し込みながら


「センパイが初めてですよ?」


「うま…じゃなくて!!浮気…してたんだろ?」


三原は少し黙り…フンとして


「さあね…失礼なセンパイには教えません…」


「グッ…」


流石に…一気に攻め込みすぎたか…でもコイツの問題点を直さないと…


「それにセンパイだから私は優しいんですよ?」


「えっ…」


予想外の答えに俺は固まってしまった。三原は俺の事が好きなのか?…いやそんな訳…


「なんかセンパイって初めてあった気がしないんですよね〜」


「は!?」


それって…もしかして俺が探してる運命の??


「どういう意味だ?」


「別に〜?なんか懐かしいんですよね」


そう三原は、はぐらかす。だが三原がもし運命の人なら、こんな事するか?アカウントにわざわざ写真だけ送った…あの子…探して欲しいと言ってた子が俺にわざわざ会いに来るのか…

俺が悶々と考えていると


パクッ


三原が今度は卵焼きを俺の口に入れた。


「考える事よりまずは食べた方がいいと思いますよ?」


コイツ!お前のせいだぞ!!…だが一理あるか

その後、俺達は昼飯を食い昼休みを終えた。

各々、教室に戻り移動教室だったので俺は太田と理科室に向かった。向かう途中やっぱりカップル同士で向かう生徒も多かった。


「はあ〜悔しいぜ…皆んなイチャイチャしやがって!!」


「太田は行動を改めろよ」


「いや、俺は次のカップル変えに申請する!!」


「?…カップル変え?」


「知らないのか?合わないなと思ったら別れる事ができるんだそ?ちゃんと2人で話し合って決めたなら先生は許可してくれるんだ」


そんな制度があったのか…ってことは!俺も早く彼女を作るかあの4人に彼氏を作ってやれば俺は解放されるって訳じゃねぇか!!

あの4人が嫌という訳ではないが1対4は分が悪いからな…


〜放課後〜


「センパ〜イ!!」


同級生だが…って言うのはもう諦めた。

俺達は校門裏の坂を下っていると


「三原!!」


そう1人の男子生徒が声をかけてきた。

振り返り顔を見るも俺は見た事ない顔だ…

三原は渋い顔をしていた。


「なんですか?前島さん…」


「知り合いか?」


「はい…私の元カレですね」


「えっ!?」


おいおいトラブル発生かよ…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る