第5話 『満を持してっ!!』

えっ〜地雷なのか?別に仲悪くないだろ?資料には別に一言も…こうして俺は最悪のスタートをきったのだった。


「えっ!!」


教室に入ると俺は浦島太郎状態だった!!

昨日とは全然違う…そう、昨日までは少しギクシャクしてたのにカップルになって2日でクラスの男女の仲はよくなっていた。

俺だけを取り残し…


「何がどうなって…」


「本気を出したんだよ。男達がな!!」


「太田…本気って?」


「積極的になったって事さ!」


「へぇ〜…で?お前はなんで1人なんだ?」


「え?え〜??別に…」


まあ、そりゃあ全員が全員うまくいく事なんてないしな…


「やめろ!そんな哀れな目で俺を見るな!俺の彼女は少しシャイなんだよ…クールっていうか…」


クール…朝の事を思い出してしまった…俺は太田の足を踏んだ。


「痛っ!!俺、何もしてないよね?逆に可哀想だよね?…って俺はお前の方がどうしたんだって感じだぞ?」


「えっ…なんで?」


「だって今日あの霧島ヒカリと登校してきただろ?それにやっぱり雰囲気悪かったし…」


「有名なのか?」


「そりゃあ、カップル決めの時にあなたのカップルになる気はないって言ってバッサリ男子共をぶった斬ったんだからな!」


えっー!!マジか…どこが人見知りだ…資料もいい加減だな…資料はあまり頼らない方がいいな…


「和也は運命の人を諦めたのか?」


「そうだ!!聞いて欲しい話があるんだ!昨日のポスト!!」


俺は昨日のアカウントについて話をした。太田に写真も見せた。太田は驚き…俺以上に興奮して


「おい!和也!!これぞ、まさしく運命じゃないのか!?」


「いや…でもこの学校だと彼氏がいる可能性があるだろ?そうなると知らぬが仏っていうか…」


「そうか…確かにな…でも、もしアイツだったら彼氏がいても問題ないんじゃないか?…」


「…アイツ??」


「だ〜れ〜だっ??」


いきなり視覚を奪われた、辺りは真っ暗…大袈裟な言い方をしたが目隠しをされた。その声…おそらく女子!…だが


「誰だ?…聞いた事ないぞ?」


「おやおや?勉強が足りないようですな!」


これは本当に誰だ?のパターンだな…振り返るとくびれ巻き?とかいうボブでセーターを萌え袖にしている女子生徒がいた。この子は!!


「三原亜美っ!!」


コイツは一言で言えば悪女だ…学校でカップルができたにも関わらず浮気をした女だ…

はっきり言ってあんまり関わりたくないが…これは俺が仮病した罰だな…


「あっ!名前知ってくれてるんだ♡嬉しいなっ!!セ・ン・パ・イ?」


「グッ!!」


なんて愛らしい可愛い笑顔だ!いや!ダメだ!俺!!これは全部三原の計算だ!!こうやって純粋な思春期ボーイ達の心を!!

…って俺高一なんだけど?センパイ??


「で?何かようか?」


「昨日来れなかったからご挨拶だよっこれからよろしくね♡」


はあーこれが手口か…待てよ、だがこの子ならなりふり構わず男を…じゃあ、まさかこの子があの時の…


「なあ、1つ聞いていい…」


キーンコーン・カーンコーン


「あっ!ホームルームだ!じゃあねセンパイ」


そう言って三原は去っていった…だが多分あの4人の中では喋りやすい方だな…ん?俺はふと視線を感じた。


「あっ…霧島」


廊下で霧島が何故か俺を睨み教室に戻った。

えっ?なんか更に怒ってなかったか?もしかして三原と喋ってたから?そんな訳ないよな…


「なあ!?どういう事だよ!!和也!お前、霧島さんと組んだんじゃねえのかよ?」


「俺には色々あるんだよ…お前のせいでな」


「えっ?俺の!?どういう意味だよ?」


そう言って俺は席に着いた。


〜放課後〜 


俺が教室を出ると霧島が待っていた。相変わらずの無表情…どうやら朝の事は許してくれた?ようだ。


「久しぶり…行こう」


久しぶりって…


「ああ!行こうか…」


いろいろ考える事はあるが、まずは霧島だ…

今日の朝でだいぶ評価が下がっちまっただろうし、ここで巻き返さなきゃ!!


〜ゲームセンター〜


俺達はゲームセンターに来ていた。申請すれば学校から費用が貰えるなんて…これならデートし放題だな…


「なあ!霧島はどんなゲームがしたい?」


するといつも無表情だが少しソワソワしている霧島は珍しくテンションが上がっていて


「じゃあエアホッケー!!」


おお…意外と体を動かす系が好きなんだな…

よしやるか!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「負けた…この俺が!!」


途中までは勝ってたのに…いきなり大量パックの放出で負けた…


「ぐっ!もう1回だ!!次は勝つ!」


「いいよっ…望むところ…!」


後に思ったのだが霧島はかなり楽しそうに笑っていた…とてもあんな問題児には見えなかったが…


「はーはーはー…エアホッケーだけで10回…

こんなにやった事ないぞ…」


「はーはーはー…青森が…ごねるから…」


俺達はベンチに座りジュースを飲んで休憩をしていた。


「なあ?1つ…聞いても…いいか?」


「?…何?」


「付き合うつもりはないって言って断ったらしいが…なんでだ?…今日見た感じ別に誰とでもやっていけそうだったのに…」


「!!…それは…」


霧島が何か言いかけたその時!!何人かの男女グループが来た…


「あれ?ヒカリ?」


すると少しだけ心を開いてくれそうだった霧島はビクッとして


「ごめんっ…!!…また今度…!!」


そう言ってダッシュで帰ってしまった。

おい!!せっかくいい感じだったのに何してくれてんじゃ!!…すると男女の団体の中の1人の女子が俺に近づいてくる…えっ…おい!霧島、俺を1人にしないでくれ〜!!




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