第3話 『デートしなさいっ!!』
「えっ…なんですか?この4人の資料…別クラスだし…それに特別試験って…?」
俺は4枚の紙に書かれている情報を見ながら言った。正直わからない事だらけだ。
「この4人はいろんな事情があってカップルを作れなかった子達なんです…」
「事情??」
資料を読んでいるとそこには人間不信・人見知りや横暴な性格、優しすぎる性格、浮気して破局…ろくなことが書いてないぞ!!
「でも優しすぎるってこの中では異質なような…」
すると先生は意外そうな顔をした。
「おや、流石に気づきますか…」
舐めてもらっちゃ困るぜ!!俺はやる時はやる男なのだからな!
「その子は優しすぎるゆえに自分の主張を言えない子なんです…」
なるほど…そういうタイプの子か…人になんでも譲っちゃうタイプ
「で…俺はこの4人と何を??」
「決まってるでしょ?デートしてもらいますよ。」
「は?はあ〜〜〜〜!?」
「静かにしなさい!!」
「いや、理不尽っ!!」
そんなやりとりをしていると職員室に3人の生徒が入ってきた。あっ!!資料でみた…
「おっ!…お前らは…!!」
「何!?コイツ…お前とか言われる筋合いないんだけど?」
いや、コイツって言われる筋合いも…流石、横暴な性格の
「桐崎あいかだな…」
「は?なんで私の名前…」
桐崎あいか…赤髪にツインテールであり何かとムスッとして横暴な性格だが誰よりも乙女…らしい。…本当か?こんなやつが乙女なはず…
すると俺の足が勢いよく凹んだ。
「イギッ!!リス…何すんだ!!」
「なんか失礼な事、考えたでしょ?」
イギリスはスルーなのね…なんか恥ずかし…
それと感も鋭いらしい…
「ダメだよ〜あいかちゃん。君、大丈夫?あっ!私の名前も分かる〜??」
桐崎さんの後ろからひょっこりと現れた。その生徒はホワッとしておっとりとしている明るめの茶髪でセミロングで先がくるん…自分の意見を主張できないタイプ…マイペースそうだけどな…
「…綾瀬美波だろ?」
「せいか〜い〜」
「そして後ろにいるのが霧島ヒカリだろ!!」
そう言って俺は綾瀬さんの隣にいるパーカーと制服のブレザーを着た黒髪ロングの女子を指差した。完璧に決まった!!そう思ったが…あの〜霧島さん??
「……」
えっ?・無・言・!!当ってるよな?
あ〜そう言えば人見知りだったけ…
人見知りの割には堂々と立っているが…
「で?あんたは誰なのよ!!」
桐崎さんが…いや桐崎が高圧的な態度で聞いてくる。
「あいかちゃんも、もらってたでしょ?プリント。特別試験の人よ〜ねぇ?青森君?」
「!」
そっちには俺の資料が配られたのかな?…なんて書いてあったんだ!?
「ひとまず全員集まりましたね…」
「あれ?後一人は?…確か三原亜美って名前の…」
「三原さんからはバイトで休むと連絡がありました。なので明日、説明します。」
バイト…ねえ?変な事してなきゃいいが…
「では、これから特別試験の発表をします。簡単な事です。青森さんはこれから4人と付き合ってもらいます。」
「「「「えっ〜〜〜!!!!!」」」」
4人の声は見事にシンクロした。
「ちょっ…ちょっと…俺には」
「あなたの事情はわかっていますがこちらは授業ですので…あなたがその人と付き合えば話は別ですが…」
太田!!アイツどれだけベラベラと喋ったんだ!!
「ちょっと!!私だってコイツとなんか嫌なんですけど!!」
桐崎が食い気味に言う。すると先生はため息をつき
「そもそもあなた達が仮病だの問題行動起こさなければこんな事にはならなかったんです!!」
いきなりの先生の怒鳴りに静まる職員室…
「異論は?」
「「「「ありません…」」」」
これまた4人はシンクロした…水泳でもやろうかな…
「では明日から一日ずつデートしてもらいますので」
「「「「えええええええええええ!!」」」」
シンクロした声が校内に響いた。
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