第2話 『みつけなさいっ!!』
「え〜〜!!そんな急ピッチに決めなきゃいけない事なのか!?」
そんなすぐに彼女を決めろって言われても…皆んなも困るだろ…
「いや〜明日で彼女だ!!最高ぉぉ!!」
うわっ…困ってない!!流石思春期ボーイだな…俺も思春期ボーイなはずなんだけどな…
「こうなったらSNSにアップしてみるか…」
今の時代はアップできるから便利だ。運命を信じているから使いたくはないがこの際、仕方ない。
「#拡散希望っと… 」
「おいその#、あんまりそれ使わない方がいいぞ?」
「知ってるよ!これは大至急な事だから!!」
そう言って俺はアップしたがそう簡単に連絡はくるはずもなく…
「ってか、そのキーホルダーは非売品なのか?普通の商品だったら持ってる人たくさんいるぞ…」
ふ〜ん!!俺は自信満々にドヤ顔で太田にキーホルダーを見せつけ
「これは非売品だ!俺が引っ越しする時に彼女が自ら作ってくれた物だ!!」
俺の運命的な話を聞きながら太田は鼻をほじった。コイツ!俺の素晴らしい話を聞いておいて!!
「でもその子に彼氏とかがいたら??」
「へっ!?…そんな事ある訳ないだろ…俺はあの子と結ばれて…」
俺はその可能性を何にも考えていなかった……クッ!コイツに指摘されるなんて!さらに太田の追い討ちは続く。
「ストーカーみたいな言い訳だな…それにいなかったとしても好きな人がいる可能性だってあるし、しかも名前も知らないんだろ??脈はねえよ…」
「グハッ!!!」
ビッグダメージ!!クリティカルヒット!!なんだコイツ…俺は倒れた。
だがそうなのだ…小学生の時に近所の公園でよく遊んでいた…違う小学校の子だった…俺が引っ越しすると聞いた時、泣いてくれた…そしてキーホルダーをくれた…
あれ??これって…
「別に好きとは言われてない!!俺の勘違いだったのか!?…もしかしたら、ただ友達と別れるのは悲しいと思って泣いてくれただけ??」
すると太田は俺の肩に手を置き空を見上げ
「世界は広い…いくらでもやり直せる。その恥ずかしい勘違いもお前を強くさせるだろう…」
「お前は誰なんだよ!!!」
俺はコイツの皮膚をつねった。
「痛ーーー!!!」
〜〜その日の夜〜〜
両親も明日の事を知っていた。どうやら文明は進化してプリントを渡さなくても親が学校のホームページを見れば知られてしまう…恐ろしい時代になっているのだ。
「明日はついに和也に彼女か…」
父さんは浮かれている…太田みたいだ。なんでそんな浮かれてるんだ?孫ができると勘違いしてるんじゃないだろうか…
「いーい?どういう人かしっかり見極めるのよ!!」
母さんはうるさかった…もう何度も聞いたのに同じことを何回も…
「もう!!分かってるよ!!!」
俺はそう言って部屋に戻り早めにベッドにもぐった。スマホを見たが、いまだにキーホルダーに関する連絡はきていない…
もし明日彼女を決めるのなら…しょうがないのか?…太田が言ってたみたいに新しい出会いを探すか??…もう切り替えるしか…
〜次の日〜
6限目のロングホームルームでカップルを決める事となった。おいおい合コン番組かよ…
しかし先生は真面目に
「皆さん、これはふざけて決めるものではない事…分かっていますよね?もう高校生ですものね。」
そんな先生の圧とともに始まったこの謎の授業。いろんな女子と喋ったりゲームしたりしてカップルができなかった生徒はいなかったらしい…彼女が俺にもできたぜ!…と、俺は太田から聞いた。
そう!!俺は結局仮病を使い学校を休んだのだ。チキンと思うならそう思うがいい!!
つまり俺は作らなかったのではなく作れなかった…という事だ!!
だが翌日…
俺は放課後、職員室に呼び出されていた。
「なんで呼ばれたか分かっていますね?」
「…さ…さあ??別に赤点は取ってないかと…」
「取ってますよ?」
「へ?」
冗談で言っただけなのに赤点?俺が??いつもギリで取らないこの俺が!?
「そんなはずない!!この間の小テストだって…」
「昨日のロングホームルームの事ですよ」
「えっ!?あれ赤点になるんですか??」
「当然です。これは普通に授業ですので」
「えっ…でも昨日は仕方なく…病欠で…」
「仮病…でしたね?」
「へ?え??え〜!?そ…そんな訳ないですよ、ヤダな〜…あははは…」
「青森さんは良いお友達をお持ちですね。」
はっ!!あの野郎〜!!裏切りやがったな!!よし後で殴ろう…
「罰としてあなたには特別試験です。」
「ちょ…ちょっと!?せ…先生??今の時代、罰とかは良くないですよ?」
「私語は慎め…」
「ハイッ!!」
俺は自然と敬礼していた…なんてオーラだ!
化け物かっ…
先生は4枚の紙を取り出した。
「今日からこの子達と付き合いなさい」
「えっ!?4人???」
「よかったですね?ハーレムで…」
「えっ…俺は一夫多妻制は反対なんですけど…」
不安と衝撃を同時にくらった。その衝撃度は俺のケツのポッケに入れていたスマホに通知がきたのにも気づかなかったほどだ…
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