彼女を作りなさいっ!!
@powerpower
第1話 『運命しか信じれないっ!!』
俺は青森和也。俺が通う事になった陽ノ上学園は昨年までは男子校だったが今年の6月からなんと女子校の月ノ下学園と合併する事になった。
「ドキドキするな!和也!!今日は合併の日だ!!」
このテンションの高い奴は太田って奴で仲良くなったばかりだ。
「そうか?急に合併なんて…まだ高校生活が始まったばっかりなのに…」
「えっ??和也、嬉しくないの?俺はめちゃくちゃ嬉しいぜ?だってあの月ノ下学園だぜ?金持ちとか美人が多いといわれてる高校なんだぜ?」
「俺にはな!運命の相手がいるんだよ!その子に心配をかけないように男子校にしたんだからな…」
すると太田はため息をつき、やれやれと俺を顔で煽ってきた。
「小学校の頃の約束だろ??そんなの律儀に守ってる奴、多分この世にいないぜ??それに連絡先も知らないんだろ?」
「それはそうだけど…」
太田は目を輝かせ
「安心しろ!和也!俺はお前のその約束が虚言とか妄想とかって思ってないから」
「お前いい度胸してんな!!」
ガラッ!!
俺が必殺キックをくらわせようとした時、教室のドアが開き女子高生達がゾロゾロ入ってきた。太田はテンションを爆発させ
「おい!和也!!月ノ下の生徒だ!!可愛い子ばっかりだ!」
教室は一気にザワつきだした…まあ、確かに可愛いけど…
すると先生が入ってきて
「はい皆さん、今日から月ノ下学園と合併する事になりました。その理由はただ一つ…」
理由??経営困難になったとかじゃないのか?それか太陽と月だからとか?そんな俺の安易な考えではなかった…
「今日からあなた達はこの3年間限定で彼氏彼女を作ってもらいます。」
「「「えっ〜〜!??」」」
当然どの教室も騒ぎが起きていた。
「先生!でも今の時代は多様性の時代なので必ずしも男女がカップルってことはないんじゃないの?」
そう女子生徒が言った。すると先生は??という顔をして
「事前にアンケートを取った通りここにいるクラスは皆、異性愛者なのでご安心を」
ああ!!あのアンケートってそういう事だったのか…でもいきなりの事で皆は納得いかない様子だった。
「みなさん今の時代は出会いがない時代です。その結果日本の少子高齢化は進む一方です。なので陽ノ上学園は共学化し誰もが一回は異性との付き合いがある事を推奨する事になったのです。なお、今、彼女や彼氏がいる人はその人と付き合ってください。まあ、アンケートでこのクラスには付き合っている人は誰もいないんですけどね…」
〜〜昼休み〜〜
全員理解が追いついていなく、午前の授業は頭に入らなかった…俺をのぞいて…
「これで俺にも念願の彼女ができるって事だ!!」
太田は喜んでいた。俺は昔、出会った運命の子を忘れられず、付き合うことは拒否しようと思っていた。それを太田は察したのか…
「お前な…その子と会う手段がねえんだから諦めろよ…新しい出会いを探そうぜ。」
「いや…見つける手段はあるっちゃあるんだ…」
そう言って俺は胸ポケットから片割れの星型のキーホルダーを取り出した。
「何それ?割れてるのか?」
「ああ…この片方をあの子は多分持ってるんだ」
「…そんなに一途なら俺は何も言わねえけどよ…」
「俺にとっては大切な思い出なんだ…」
「でも、だったらすぐ見つけた方がいいぜ、お前も見たろ?あのプリント…」
「いや、見てないけど…」
すると太田はガクッと肩を落とし
「明日で彼女、決まるんだぞ…」
「えっ。はあ〜〜!???!」
俺の声は食堂に響いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます