03 少女ニュートンの自己紹介
われらが主人公・
教室には
「みんなーっ! おっはよーっ!」
「おはようございまーす!」
登場したのは20代後半くらいの若い女性だった。
「今日からみなさんといっしょにお勉強をすることになる、
「よろしくお願いしまーす!」
長谷部先生はとびきり元気な声であいさつをした。
子どもたちもそれに負けないくらい、元気なあいさつで返した。
「ふえふえ、やさしそうな先生だわねー」
「おっかない人じゃなくて、よかったわー」
これでちょうど、30名となる。
美咲穂と可南は
この配置がどのような基準で決まったのかは、定かではない。
しかし、「それは聞かないお約束」だと、だれもがわかっていた。
小学生ともなれば、この程度の
「それじゃあ順番に、
新入生30名は、それぞれがそれぞれの、個性的な自己紹介をすることになった。
中でも特に、美咲穂と可南が気になったのは、次の2名だった。
「
1人は
『科学』という単語に、二人は興味を示さずにはいられなかった。
「あの子も科学が好きみたいだわよ、カナちゃん」
「ふしゅる。ぜひとも『仲間』に
もう1人は
「ふひひ、わたしの番ですね。
なによりも
カメレオンのようにギョロギョロと動いているが、不気味な中にかわいさがある。
「あの子も科学が好きみたいだけど、すごい『おめめ』だわー」
「『ふひひ』という笑いかたが、面白いねー。それに『ビジネス』って、なんのことなのかなー?」
とにかく美咲穂と可南は、この2人にさっそく、目をつけたのだった。
ちなみに可南と美咲穂の自己紹介は、以下のようなものだった。
「修善寺可南ですー。『バケガク』っていう勉強が大好きですー。尊敬する科学者は、ライナス・ポーリング博士ですー。ノーベル賞を2回も受賞した、すごい先生なんですよー」
ノーベル賞という単語に、美咲穂はまた反応した。
「ちょっとちょっと、カナちゃん、どういうことなのー? ノーベル賞を2回も取った人が、いたのねー。その、ポーリングさんという人は、何者なのー?」
「いまのバケガクにすごい影響を与えた、すごい科学者なのよー。
「ふえっ、リョウシリキガク!? わたしったら、物理が好きだとか言っておいて、そのリョウシリキガクなんていうのは、さっぱりわからないわー」
「わたしだって、言葉を知ってるだけだよー」
「むむっ、なんだか燃えてきたわー。わたしにはさらに、物理学の勉強が、必要だわねー。よーし!」
「葛崎美咲穂です! 尊敬する
しかしこの中で、
修善寺可南、そして天川星彦と比留間真昼だ。
美咲穂を
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