第11話
ミニゲームをした次の日、俺は朔と一緒に公園に来て、足技の練習をしに来ていた。お互い渚ちゃんにゴールを決めて貰うことは出来たが4年生には、個人技で結構止められたからだ。
「ルールは相手を抜くか、ゴールを決めたら勝ちでいい?」
「いいぜ、さっさとやるぞ」
「先攻と後攻はジャンケンでいい?」
「いいぜ。」
「最初はグージャンケンポンッ」
お互いグーだった。
「あーいこーでしょ!」
朔がチョキで俺がグーだった。
「じゃあ俺が先行な!」
順番も決まったので始める。
ゴールから少し離れた所で
「蒼太ーいつでも仕掛けてきていいよー」
「わかったー!!」
朔の準備がいいようなので仕掛けにいく。
俺はシザーズやキックフェイントをかけたりして朔を抜きにいったが、朔はまだついてくる。
朔がボールを取りにきたので、ルーレットで交わしてそのままスピードに乗ってシュートを打った。シュートはゴールネットを揺らした。
俺は先行なので朔を止めなければならない。
「朔ーもういいよー」
「わかったー」
朔はどう仕掛けてくるのか考えていたら、朔がドリブルしてきたので止めようとしたはいいもののいきなりシュートを打ってきた。
はずれたように見えたシュートは大きく弧を描いてゴールネットを揺らした。
まさかシュートをいきなり打ってくるのは予想外だった。それにしても曲がりすぎにも程がある。
「朔いつの間にそんなシュートを打てるようになってたんだよ?」
「ずっとパスの練習をしていたらいつの間にかボールを曲げれるようになっていたから、パスする感じで打ったら入っちゃった。」
「シュートを打ってくるのはもう見たから、次こそは止めてみせる。」
「止めれるもんなら止めて見てよ。それに次こそは蒼太のドリブル止めてみせるよ。」
次こそ抜いてやる。次は今までやってみたことが無いことをやってみよう。
「朔いくぞー」
「どんなことをしても無駄だけどね」
俺は朔がボールを取りに距離を詰めてきたので、
難易度が高いけどマルセイユルーレットをやってみる。練習では10分の1くらいの確率でしか成功しないけど、頼むから成功してくれ。
ラッキー成功した。朔を抜いた俺はドリブルで進んでからシュートを打ち決まった。
「マルセイユルーレットなんていつ覚えたんだよ?」
「練習ではあんま成功してないけど、やってみたらなんか成功した。」
「博打かよーくそーそんなのできるなら言っておけよー」
さぁ次は朔の番だ。絶対に止めてみせる。
朔はなかなか仕掛けてこない。釣られるな、釣られたら朔の思うつぼだ。痺れを切らして朔が仕掛けてきた。
朔は高速シザーズでフェイントを入れてきた。
ボールを取りに行ったらエラシコでかわされたが、朔は俺よりも足が遅いので追いかけて止めに行った。俺は追いついたが、キックフェイントを入れてかわそうとしてくるのでフェイントに釣られずボールに集中する。
朔は俺が釣られないのをみて強引にシュートを打ってきた。朔のシュートは曲がりすぎてゴールに入らなかった。
「ヨッシャー!俺の勝ちっ」
「くそー、入らなかったか…」
結局あの後3回もやってしまった。まぁ全部俺の勝ちなんだが
勝負が終わった後家に帰ったら3時間が経っていた。
最近はずっと朔と渚ちゃんと一緒に公園で練習していたこともあって4年生に対しても技術で勝てるようになってきた。
ここ最近はミニゲームで3人とも平均3得点をあげている。おかげで4年生がミニゲームが終わった後結構な頻度で顔が死んでるのを見るようになってしまった。
コーチにまたまた呼び出された。
「お前ら3人とも5、6年生のところに3年生になったらあげてやるから、親から許可取ってきてな」
「「「はーい」」」
「そういえばコーチ、そんな簡単に僕達を上に上げてもいいんですか?」
「お前らがやりすぎるせいで4年生の顔が死んでるんだよ。まったく、お前らちょっと落ち着いてくれ」
「はーい」
コーチにああ言われては仕方ない。全力を出したいから4年生達も休みの日の自主練習に参加してレベルアップしてもらうしかないな。
「先輩ー先輩達も一緒に練習しませんか?それに負けたままだと悔しいだろうし…」
「わかったよ、お前らいつもどこでやってるんだ?」
「近所の公園でやってるけど、これからはグラウンドでやろうと思っています。」
「時間は学校終わってからすぐだよな?」
「そうです。」
「わかった次のチームの練習が休みの日は行くようにするよ。あと他の4年生達も声掛けてみる。」
これで4年生のレベルアップができて練習で全力が出せる。これからが楽しみだ。
先輩達がさっそくやってきた。意外と4年生のほとんどが集まっている。
「まずは、簡単な技から見せていくので練習して試合で使えるようになりましょう。」
そう言って俺はガチャで出たスキルを使って技を見せていく。
「最初はこの技」
俺はルーレットを見せた。
「この技は簡単な方なので頑張りましょう。この技は相手がいた方が練習になるので2人1組で練習してください。」
先輩達の中には既に使える人もいたようだが、ほとんどの人が出来ないようだ。俺はアドバイスをすることにした。
「ええと…この技は…ボールを置く位置と…なんだっけ?」
スキルを使って技を覚えた俺は練習方法をあまり知らない。朔が
「相手の重心をよく見て、いきなり早く行わず
相手をよく観察しながらしたら上手くいきます。」
って補足してくれた。やっぱりサッカー選手だっただけあるな…
この技が出来るようになったら他の技も教えていく。最終的にはマルセイユルーレットが普通に出来るようになるまでにしたいと思っている。
半年ぐらい練習していたら、マルセイユルーレットまではある程度出来るようになったので一対一の練習も始めた。
先輩達の成長がスゴい。油断していたら俺が抜かれてしまう程だ。
特に渚ちゃんはスピードに技術がついてきて何回も抜かれるようになった。
最初は休みの日に練習していたが、毎朝やりたいということもあって、毎朝グラウンドで登校しないといけない時間まで練習している。
この練習をやり始めてから先輩達はスゴい上手になった。おかげで俺も全力が出せるようになった。
こんな毎日を過ごしていたらいつの間にか3年生になっていた。
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