小学生編
第8話 小学一年生 前編
キーンコーンカーンコーン♪
授業終了の鐘がなる。
そこから1年生は帰りの会をしてから帰宅だ。
「先生さよーなら〜!みんな〜バイバイ〜!」
先生や友達に挨拶をして、1番最初に教室を出る。
ここからは、サッカーチームの練習の時間だ。
「ママ、ただいまぁー」
「蒼ちゃん、お帰り。オヤツはテーブルの上に置いてあるから、手洗いうがいしてから食べてね」
「ありがとう、ママ」
まだ1年生なので3時ぐらいに帰宅する。
まずはオヤツを食べる。
オヤツといっても、おにぎりや菓子パンなどの炭水化物を中心にした間食である。
さすがに長時間サッカーの練習をするのには、お菓子だけでは足りないからママンにお願いして変えて貰ったのだ。
「ママ、ごちそうさまでした。行ってきます!」
3時の間食を済ませた俺は、サッカーチームの練習に向かう。大きめのリュックにマイサッカーボールと着替えを入れていく。
「今日も早めに行くの?」
「うん。この前言ってた朔くんと一緒に練習するんだ。」
「車に気をつけて行ってくるのよー」
「うん。わかったー」
小学1年生になった俺は朔くんと一緒に地元のサッカーチーム横浜シュバリエに所属していた。
練習は週に3、4回。時間は夕方4時から7時までの3時間。
まだ時計は3時半を指している。だが俺は早めに行って朔くんと一緒にサッカーの練習をする。
なぜなら夕方の4時まではグラウンドに誰もいない。朔くんと一緒に1体1の練習が出来るのだ。
こうすることでスキルの熟練度を大幅に上げることが出来る。
ぼちぼち上級生が来始めた。
コーチもやってきて練習が始まる。
「これから、スクールコースの練習を始めます。」
「「「コーチよろしくお願いします!」」」
俺と朔くんが入っているのは、小学1〜3年生がいるスクールコースだ。低学年のうちは、危ないのでスクールコースまでしか選択出来ないのだ。
「じゃあ1年生は、ボールタッチの練習。後はパスやキックの練習だ。楽しんでやれよー」
ここにいる1年生は、サッカーをやったことがない初心者だ。だからまずは楽しませることを目的として教えている。
「うわぁー、むずかしいー」
「あれー?そっちじゃないよー」
他の1年生はボールタッチに苦戦していた。思うようにボールが動かせず、変な所にボールがいっていた。
ウンウン俺もその気持ちはよく分かる。俺も最初の頃は全然出来なかったし。
俺と朔くんはサッカーを練習していたこともあって簡単な練習ですぐにできた。
「よし、後半の60分はミニゲームをやるぞー。色別のビブスを着てチーム分けしろよ〜」
「「「ヤッター、ミニゲームだー」」」
夕方の6時からは俺が待ちに待ったミニゲームだ。
俺は試合形式でやるのは、初めてだから楽しみだなー
ミニゲームは基本的に同じ学年同士で対戦する。
ここの1年生の場所にはちょうど22人いたから、11対11のミニゲームが出来る。俺と朔くんは別のチームになってしまった。
試合が始まった。
1年生は初心者だから、全員でボールに群がって行った。まだパスも出来るはずが無く、もちろん連携も存在しない。
みんな楽しそうだな〜そんなことを考えていたら、いつの間にか朔くんにボールが渡っていた。
朔くんがドリブルをして俺を抜きにくる。だけど俺も負ける訳にはいかない。なんとか朔くんを止めることに成功した。
こっからは俺のターンだ。俺はスキルを使って朔くんを抜きにいった。フェイントを入れたりしてなんとか抜くことができた。そのままボールを運んでシュートを打った。初心者にはもちろん止めらるはずがなく、ゴールネットを揺らした。
これが俺の記念すべき初得点だ。
そこから試合は俺と朔くんの一進一退の攻防が続いていた。俺が止めたら朔くんも止める、さらに朔くんが俺を抜いてゴールを決めたりしていた。
結局試合は2対2の引き分けで終わった。他の1年生はボールを初めて試合をして楽しかったようだ。
次の練習の時、俺と朔くんはコーチに呼び出されていた。
「今日から蒼太と朔は3年生のチームでミニゲームしろ。」
「えっ?3年生…ですか、コーチ」
「そうだ。1ヶ月見てきて思ったが、お前ら2人が相手じゃ1、2年生は話にならないからな。さぁ早く行ってこい。」
俺と朔くんは今日から3年生の所でミニゲームすることになった。
3年生は全部で18人いる。僕達も入れて5人の4チームに分かれて、交代で戦うのだ。
でも3年生とのミニゲームに混じって、大丈夫なんだろうか?それにフィジカルも違うだろう。俺はすごく 不安になっていた。
俺と朔くんも1年生の中では大きい方だけど、3年生が相手だと小さく見える。
「こんにちは、1年の神宮寺蒼太と蘇芳朔です。今日から3年生の練習に参加するのでよろしくお願いします。」
俺と朔くんは試合が始まる前に3年生の人達に礼儀正しく、挨拶をする。やっぱり最初の印象が1番大事だということを俺と朔くんは前世の経験から理解していた。
それにしても3年生のみんなは全員、俺たちよりも頭半分くらい大きい。
一緒にチームを組んだ3年生から、今日からよろしくなって言われてすごく安心した。
ちなみに俺と朔くんは同じチームになった。
試合が始まった。
フィジカルの差やフォーメーションやパスを使った連携に手こずったが、朔くんにボールが渡ってから俺にボールが通るようになったので得点を決めることが出来た。
どうやら朔くんは生粋のパサーらしい。普通じゃ有り得ない場所からパスが通ってきていたからだ。
普通後ろに張り付かれている状態で、あんな正確なパスが送れるのか?
不思議に思った俺は初めて鑑定のスキルを使用した。
どうやら朔くんは生粋のパサーっていう称号を持っていたから正確なパスが送れるようだ。
もしかしたら前世でもパサーだったのかもしれない。
「お前らサッカー、すげぇ上手いな。いつからサッカーの練習してたんだ?」
「幼稚園の時からです。」
俺が答えると朔くんも
「僕も一緒です。」って答えていた。
ミニゲームが終わった後3年生が聞いてきた。
やっぱり他人から褒めて貰えるのはすごく嬉しい。
せっかくサッカーチームに入ったので6年生までに優勝したい。
「よし。練習終わり!」
午後7時になり練習が終わった。周囲はだいぶ暗くなっていた。
さすがに7時はくらいのでパパンが迎えに来てくれるらしい。
家に帰ってからはすぐに夕食を食べる。
運動した後なのですごくお腹が空いている。ママンが作ってくれた夕食を残さず食べる。
最近では俺の真似をして妹の奈緒が好き嫌いせずに食べている。
夕食を食べ終わった後は風呂に入ってストレッチをして、8時半に就寝する。
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