第7話 俺と朔の出会い

俺は地元の小学校に入学した。

いよいよ俺のサッカー活動が、本格的にスタートする年齢になったのだ。


「ママ、行ってきます。」

「蒼ちゃん気をつけるのよ〜」

「わかった〜」


入学してから1ヶ月ほど経っていた。

日課の庭での練習を終えて、8時前に小学校に向かう。バス送迎だった幼稚園の時とは違い、徒歩での通学だ。


「小学生になったから体力を付けていこう。」


体力を鍛える為に早歩きで、登校していく。

幼稚園の時は技術を鍛えることを目的としていたから体力を付けないといけない。それに幼稚園の時は心臓や肺が成長しきっていない。だから小学生のうちから心臓や肺を鍛えていく必要があるのだ。


小学生に入ると、これからどんどん体力がついていく。それによって出来ることが増えていくのがとても嬉しい。


慣れてきたら走って行くのもいいかもしれない。

今のうちから頑張らなくちゃ。


小学校に着いたら先生に挨拶をする。

「先生ーおはようございまーす」


「蒼太くん、おはようございます」


教室に入って間もなく授業が始まる。


「じゃあ教科書のここ、読んでくれる人?」


「はいっ!」


「誰もいないようだし蒼太くん読んでください。」

俺が教科書を読み終わると先生が褒めてくれた。

やっぱり誰かに褒めてもらうのは嬉しい。


授業では積極的に手を挙げるようにしている。

こうすることで先生の印象を良くしておく。


「算数のテストで、蒼太くんはまた100点です。みんな拍手!」


今世俺はテストで常に満点を取っていた。

努力するって決めたんだ。何事にも全力で取り組まなくちゃ。


更に宿題は、家に帰って爆速で終わらしておく。

計算問題や漢字の練習も、爆速で終わらせる。


なぜなら宿題を残して置くとサッカーの練習をする時間が減るし、後からやるのもめんどくさいからだ。


「よし、みんなで校庭行って遊ぼー!」


昼の給食を食べた後はみんなで楽しくサッカーをする。だけど他のみんなは俺みたいにサッカーの練習をしていないから、あんま上手くなかった。


だけど1人だけサッカーをしたことがないはずなのに上手いやつがいた。


そいつの名前は蘇芳朔って言うらしい。


サッカーやったことないのに上手いのは、反則だろ。そういう奴はだいたい天才だろう。もしかして本当にスゴいやつなのかなって思った。一応前世の記憶を持った俺みたいな奴かもしれないと思って朔に聞いた。


「朔って転生者?」


朔は驚いた様子で固まっていた。

そりゃそうだろう。いきなりそんなこと聞かれたら俺だって固まってしまう自信がある。俺がいきなり聞きにいきすぎたかな?って不安になっていたら


「なんでそんなこと聞くんだよ?もしかしてお前も転生者なのか?」


「うん。そうだよ。俺は確かに転生者だ。」


朔は俺があっさり認めたことに驚いている様子だった。

「あれ?お前もって言わなかったか?」


いや確かに朔はお前もって言ったはずだ。

朔は落ち着きを取り戻して俺に言ってきた。


「うん。俺も転生したんだよ。」


びっくりした。俺はまさか俺のように転生している奴がいると思っていなかった。


「ちなみに前世では何をしていたんだ。」


「サッカー選手だったよ」


「だからそんなにサッカーが上手いのか」

俺は安心した。もし天才みたいな奴だったら俺は自分の努力が足りないのかと落ち込むところだった。

「じゃあ朔はサッカーするのか?」


「うーん…わかんない…前世でサッカー選手になれちゃったからどうしようかな…」

俺はチャンスだと思った。

こんな上手い奴を逃す訳にはいかない。是非ともサッカーに誘わなければ

「なら俺と一緒に世界一のサッカー選手にならないか?」

朔は悩んでいたけど最終的に世界一のサッカー選手になることを目指してくれるらしい。


「わかったよ。一緒に世界一のサッカー選手になろう。」


「おう!一緒に頑張ろうな」


こうして俺と朔はサッカーの練習を一緒にしていくことになった。


その日はワクワクしてなかなか寝ることが出来なかった。

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