第5話 幼稚園時代2

「よし。今日から本格的にスタートだ。」


朝6時になり目を覚ます。

まずはトイレにいって、体を起こした。

そのままサッカーボールを持ってこっそり家の庭に行こうとしたらママンにバレた。バレないように行くつもりだったのに…

だって絶対怒られるじゃん…

しょうがない…ママンに挨拶して一言言ってから行くか。


「ママ、サッカーの練習してくるね。」

ママンは驚いた様子で

「そんなにサッカーにハマったの?それに場所はどこでするの?」


「サッカーってスゴく楽しいんだ。それに家の庭でするから大丈夫だよ。」


「本当に大丈夫かしら」


「大丈夫!僕を信じてよ」


「わかったわ。朝ごはんが出来たら呼びに来るからね。気をつけてやるのよ〜」


「わかった。じゃあ行ってくるね。」


予想外のアクシデントがあったけど、怒られなかったのでラッキーだ。気を取り直してやろう。


今日もドリブルの練習だ。

思った方向にボールを動かせるようになったけどあんま上手くいかない。10回に1回ぐらいだ。


だけど昨日よりは上達している気がする。やっぱり子供の方が上達速度が早いんだな。


もくもくと一生懸命やっていたらすぐにママンが呼びにきた。


「蒼ちゃ〜ん。朝ごはんできたわよ〜」


「わかった。今行くよ」


もう少しやりたかったが仕方ない。時間はいっぱいあるんだ。

ボールを直して家に戻って時計を見たら7時半だった。時間が経つのは、早いな。


パパンがいつの間にか起きて朝ごはんを食べていた。


「おはよう。練習してちょっとは上手になったか?」


「おはよう。ちょっとは上手になったよ。」


「蒼太サッカーは楽しいか?」

急に聞かれて驚いたけど子供らしく答えることができた。


「とても楽しいよ」


「それは良かったよ」


ママンにもそれは聞かれたけどやっぱ親は子供のことが心配なんだろう。

家族とのコミュニケーションは大事だ。

それは前世からの経験でわかっていた。

だけどこう何回も聞かれるのは正直めんどくさい。


俺が朝ごはんを食べていたら、パパンが

「仕事に行ってくるからな。ママを困らせないようにいい子にしておくんだよ」


「わかったよ。パパ」


「それじゃ行ってくるな」


「いってらっしゃい」


仕事に出かけるパパンに、俺は子供らしく挨拶をする。


食べ終わった俺は幼稚園のバスが来るまでもう一度サッカーの練習をする。


「蒼ちゃーんバスが来たわよー」


「今行くー」


ママンに呼ばれたらバスに乗る。

バスに乗って幼稚園に登園する。


幼稚園を純粋に楽しむつもりだったけどやっぱりやめる。幼稚園の環境はいろんなトレーニングをするチャンスだと思ったからだ。


内容としては、ボールを使わずに鷹の目と判断力を鍛える感じだ。

鷹の目の熟練度を上げれば将来役に立つし、判断力を上げれば思考に余裕が生まれると思ったからだ。それに幼稚園児は動きが激しいから集中し続けなければならない。一石二鳥だと俺は思った。


そう思った俺は早速実践する。

園庭で鬼ごっこをする時。学年が混じって遊ぶ時

なるべく大人数で遊びつつ、俺がリーダーとなって遊び方を誘導する。その時に友達の名前を呼びつつ、鷹の目を使用して周りを把握していく。遊ぶ指示も出してみんなで楽しんでいく。


もちろん相手は幼稚園児なのでそこはしっかり判断して指示を出して行 いく。


さすがに誘導しないとヤバい。脳がパンクしてしまう。


俺のイメージとしては総司令官みたいな感じだ。


この幼稚園でのトレーニングは思ったよりもキツかった。脳の容量が圧迫されていくのを感じた。

だけどそれと同時に鍛えている感が凄かった。


これを幼稚園の間ずっとやっていれば成長すること間違いなしだ。


「午後3時すぎになったら家に帰る」


その後はサッカーボールを使ってスキルの熟練度を上げていく。


そして食事の時間は体を大きくするために好き嫌いせずにバランスよく食べることにした。


そして身長を伸ばすために8時までには寝るようにした。前世では身長が低かったから身長を高くしたいのだ。それに身長が高いほうが有利だしね。


こうして俺は寝る時間意外はサッカーのトレーニングに費やす計画が進んでいくのであった。

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