第4話 幼稚園時代1

3歳になった俺は幼稚園に行くことになった。


正直……幼稚園に行く意味は無いと思っている。

だって……練習したほうがいいじゃん。

だけどうちのママンが幼稚園に行かせたい感じだったから仕方ないかもしれない。


幼稚園に行くようになってからは

朝に目を覚まし、8時半の幼稚園のバスで登園する。


幼稚園ではお歌を歌ったり、お絵描きをしたり、遊んだりしている。

前世の記憶がある俺にとっては、はっきり言ってつまらない時間だ。

俺はみんなの動きを見ながら指示を出して一緒に遊んだ。こうすることで鷹の目の熟練度を上げることが出来て楽しいなんて一石二鳥だ。

だけど転生したってバレてはいけないから、俺は一生懸命遊んだ。



むしろ段々、楽しくなってきていた。

前世ではゲームばっかりしていたから、久しぶりの運動は楽しかった。

だけど家では子供の振りをするのは辞めている

小さい頃あんまり泣かなかったらママンに


「うちの子は頭が良いのかもっ!!」

って言われたからだ。


頭がいい振りしないと変じゃねって気づいた俺天才じゃない。


午後3時になり、幼稚園バスで降園する。

家に帰ったら貰ったサッカーボールを使ってスキルの練習を3時間ぐらいする予定だ。

集中力が持つかどうかは別だが。


まずはボールの感覚を掴むところからだ。

残念ながらガチャでそういうスキルは出なかったからだ。

おいおい‥‥確率どうなってんだよ

神様しっかりしろよ

まったく‥‥1番それが大事じゃないのかよ

しょうがない……やってやる!!


ボールを両足で蹴って、ドリブルしてみる。

ボールはコロコロと蹴った場所じゃない所に転がってしまった。何回やっても別の場所に転がった。


「あれ? 上手くいかないな……俺には才能がないのか?」


一応前世でもサッカーやってたはずなんだけどな…

でも俺はあんまり心配してなかった。

だって俺にはすげぇスキルがあるからだ。


やっぱり不安だ。

これはすぐに計画を立てて練習しなければ…

目標があるのとないのじゃ成長速度が違うって聞いたからな。

目標としてはこうだ。

幼稚園児の間にボールの感覚をマスターすること。


その後時間を忘れるくらい練習していたら、気がつけば3時間ほど経って6時くらいになっていた。


気がついたら後ろにパパンが帰ってきていた。


「お〜サッカーの練習してたのか。偉いな〜我が息子よ。たくさん練習してサッカー選手になるんだぞ〜。」


いきなりそう言って抱き上げられた。

ちょっと髭が痛い。


だけどこの感覚は久しぶりで嬉しかった。

パパンに抱っこされてそのまま家に入った。


夕飯を食べた後すぐ寝てしまった。なれない練習で意外にも疲れていたらしい。







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