2話

「さて、今日はどんな子を描こうかな」

そう言って僕はペンを走らせた。

僕は趣味で絵を描いてネットで投稿をしている。それが僕の唯一の癒しの時間。楽しめる時間。自分好みの好きな子を好きなように書く、それが僕の今までで一番楽しい時間。

どんな子を描いているのかって?そうだな、最近描いたのは、ケモミミロリだね。いやぁ自分の性癖を詰め込んだいい作品だよ。今は、今流行ってるアニメキャラを描いている途中だよ。結構構図に苦戦してね。

(ピロン♪)

「ん?通知?珍しいな、こんな時間に」

そう思い、スマホを開いた。

「TwitterのDM?ほんとに珍しいな。誰だろう」

@アンカ『夜分遅くにすみません。あなたの絵に一目惚れしました。もし、よろしければ私の本の挿絵を描いていただけませんか?』

依頼か?でも僕別に依頼を受け付けているわけでもないし、僕にはまだ荷が重いからな。僕の絵が好きと言ってくれるのは嬉しいけど断ろう。

@自分『依頼ありがとうございます。ですが、私は今依頼を受けているわけでもありませんし、絵を描くのは趣味でやっていることなので依頼を受ける気はありません。申し訳ありませんが断らせていただきます。』

「送信っと、とりあえずこれでいいかな」

(ピロン♪)

「はや!」

思わず声に出してしまった。いや、送信してすぐに返信って暇なのか?いや、それほど気になってたってことか。まあいいや、今は返信見よう。

@アンカ『そうでしたか。こんな夜遅くに申し訳ありませんでした。これからもイラスト楽しみにしています』

@自分『いえ、こちらこそ依頼を受けれず申し訳ありません。お仕事頑張ってください』

ふう。珍しいこともあるんだな。さて、イラストの続き描きますか。

               ◆

「こんな感じかな」

もうこんな時間なのか、あとはインターネットに今描いたイラストをアップしてっと。そういや、DMくれたあの人小説書いてるとか言ってたな、ちょっと調べてみるか。

「えーと、確か名前はアンカだったかってまじかよ、この人が描いていた小説、今期のアニメじゃん。てか、さっき描いてたキャラだのアニメだし」

まあ今日は眠いし寝よ。おやすみ。

そう僕は心の中でつぶやいて深い闇の中に意識を落とした。


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無題 白田四暇(しろだしか) @shirotashika

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