第19話 憧れの谷

足を滑らせたら最後、谷底までノンストップだな、と思いつつガレ場を慎重に進む。入手した文明時代の地図を参照すると、ゴロゴロと石が転がっているだけのこの素っ気ない斜面は「花崩し」と言うらしい。そして斜面の先の奈落の底は「憧れの谷」。昔の人は随分ロマンチストだったようだ。途中で通過してきた、滝が作る消えない虹を思い出す。確かに、虹の向こうにあるのがこんな不毛の地だなんて、誰が想像するだろう。


有馬 礼さんへのお題は、

【憧れの谷】、【花崩し】、【虹の向こう】です!

予備:【居酒屋】

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