第18話 回る花

回る花はどんどん増える。甘い香りを振りまき、耳に心地よい音楽を流しながら。人々は花の魅力に取り憑かれ、還らぬ眠りに落ちてゆく。助けを求めて千年の賢者の塔を訪ねた若者に賢者は穏やかに言った。なす術はないと。賢者は、そこだけ鱗に覆われ鋭い爪の生えた右腕で壁の地図を示して言う。花の気が変わる前に逃げろ、海を越え、滅びの及ばない地へ。

賢者はこの国ごと花を封じるつもりなのだ。


有馬 礼さんへのお題は

【回る花】、【千年の賢者の塔】、【気が変わる】です!

予備:【娘】

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