第6話 白銀の膏薬

その町は何もかもがおもちゃのようにかわいらしく、箱庭に入り込んだような錯覚を覚える。この町にいるという錬金術師をなんとか探し当てた。彼はなぜそれが必要なのかなど尋ねなかった。ようやく手に入れた、白くて小さな丸い壺をじっと見る。「それは便利な薬ですよ」彼は表情を変えずに言う。知っている。お嬢様の身体を穢し心を壊したあの男を許すわけにはいかない。そのためにこの、白銀の膏薬が必要なのだ。


有馬 礼さんへのお題は、

【白銀の膏薬】、【便利な】、【箱庭】です!

予備:【地下室】

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