第17話 友達と遊ぶ①(猫耳勇者side)

 あの子を初めて見たのは、初配信よりも前、本社で社員さんに話を聞いてる時だった。


 何故か裏口から入ってきた女の子を見て、一目で「あの子と仲良くなりたい」って思った。


 その後、あの時の子が僕と同じ3期生の同期だと知ったけど、初配信で色々凄いことをした彼女には中々コラボを申し込むことができなくて、やっと回ってきた同期コラボのチャンスも武蔵野さんに取られてしまった…


 それでも先日、マネージャーさんに許可を貰ってやっとコラボをする事ができて、その時に友達になる事にも成功した。


 そして、あれから数日…今日、僕…如月きさらぎネコルこと、猫間 希咲ねこま きさきは、友達になれた永遠乃とわの メルトちゃんを誘って、大型ショッピングモール、デオンに遊びに行く約束をしています!



 ─────────────



「あっ、希咲さん!」


 一足先に待ち合わせ場所に立っていると、僕を見つけたメルトちゃんが駆け寄ってきてくれる。


「すいません、待たせちゃいましたか…?」


「ううん、大丈夫。全然待ってないよ〜!」


 首を振って否定すると、メルトちゃんは安堵の息を吐いて、僕ににへらと笑いかけてくる。


「その…私、こんな風に遊ぶの初めてで、少し緊張しちゃって…」


 そう話す彼女がとても可愛く見えて、今日はいっぱい楽しんでもらおう!って改めて思った。


「それじゃ、行こっか!」


「はい!」


 そうして僕はメルトちゃんと一緒に今日の目的地、デオンまでの道のりを2人で並んで歩いた。



 ─────────────


 デオンに入ると、店内は綺麗に飾り付けられていて、様々な種類のチョコレートが売られていた。

 …そういえば、今日はあの日か。


「初めて来ましたけど…凄いたくさんチョコが売ってますね…?」


「こんなに売ってるのは今日だけだよ〜?今日はバレンタインだからね」


「えっと…バレンタイン…?」


「バレンタインってのは、好きな人とかお友達にチョコレートを渡す日だよ〜」


 バレンタインを知らないらしいメルトちゃんに、どんな日なのか教えてあげる。

 メルトちゃんは僕の説明を聞いて、何かを考え込むように視線をチョコの山の方に向けていたけど、その視線を僕に移して


「希咲さん、今日は楽しみましょうね!」


 …と言いながら満面の笑顔を向けてくれた。


「もちろん!いっぱい楽しませちゃうよ〜!」


「はい!」


 コラボの時に話しかけたお陰で、今こうして仲良くなりたかった人と友達になって遊びに来れている…本当に、勇気をだして良かったな。


 そんな風に感慨にふけっていると、メルトちゃんのバッグから着信音が鳴る。


「あれ、誰からだろ…すいません、ちょっと止まって確認しますね」


「りょーかい。真ん中だと危ないし、端っこ行こうか」


「はい、ありがとうございます」



「…誰からだった?」


 壁際まで移動してスマホの着信を確認してるメルトちゃんに、そう聞いてみた。


「2期生の眠莉ねむり ヒメノさんからのコラボのお誘いでした…あっ、今日は希咲さん優先ですし、ちゃんと断りますからね」


 2期生の眠莉センパイ…メルトちゃんを抱き枕にしてたあの人かぁ…



「……ねぇねぇメルトちゃん、ちょっとスマホ貸してくれない?」


「えっ?…良いですけど…何するんですか?」


「こうするの〜♪︎」


「わっ?!」


 メルトちゃんからスマホを受け取った僕は、カメラアプリを起動してメルトちゃんの横に立って身体を寄せる。


「ほらほら、もっと寄って〜!」


「え……えっと…こうですか…?」


 ひゃっ…!…メルトちゃん…近くで見ると更に可愛く見えてきちゃう…!


「……希咲さん…?」


「あっ、ごめんごめん!それじゃ笑って笑って〜…はい、チーズ!」


 スマホの画面に視線を移して、僕とメルトちゃんがしっかり写るように内カメラで写真を撮る。


「ははっ。メルトちゃん変な顔〜♪︎」


 写真の中のメルトちゃんは、ぎこちない笑顔をしながらスマホの方に視線を向けていた。


「き…希咲さんが急に撮るからですよ…!それに、2人で写真撮るのなんて初めてでしたし…」


「そしてコレを〜…送信!」


 メルトちゃんが少し不満気な顔をしてる間に、スマホで撮った写真を眠莉さんのチャットに送信する。


「えっ、希咲さん、何やってるんですか?!」


「だって今の状況の写真送った方が、今日は無理ですって確実に証明できるでしょ?」


「た…確かにそうかもですけど…」


「まぁ、それよりも!」


 納得のいってない顔をしてるメルトちゃんの手を掴んで歩き出す。


「ほら!今日は僕と遊びに来たんだし、早く行こうよ!」


「わっ?!ちょっと希咲さん落ち着いて…!」


 メルトちゃんの抗議に聞こえないフリをして、そのまま手を引いてデオン内を進んでいく。


「ボーリングとかカラオケもあるし、今日はいっぱい楽しむぞー!」


「だ…だから一旦落ち着いてくださいってばー!」



 ✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -

 もしも読んでくれた人がいるなら…


 初心者の執筆なので、言葉の違和感や誤字などがあるかもしれません。もし見つけたら遠慮なく指摘していただけると助かります。


 更新頻度も不定期ですが、続きが気になるって思ってくれた人がいれば嬉しいです。


[作者コメント]

 メルトちゃんと友達になった希咲ちゃん個人的に気に入ってるから、頑張って続き投稿したいな…


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