第8話ペット屋のおじいさんと再会
謎クラブのみんなは今日は海岸の掃除の手伝いに行っている。
もちろん、彼らの相棒たちも一緒だ。
「僕はこんなに沢山ゴミを集めたよ。」
「ケルが砂に埋まってた大きなゴミを見つけた。」
「こら、相合い傘なんか書いてないで、真面目にゴミ拾いしろよ。」
「ハルがこの先の入江にゴミが溜まってるって言ってる。」
「クーがゴミの下から金の指輪を見つけたわ。帰り道に交番に届けなくちゃ。」
「玄武が海に浮かんでる綱と網を咥えてきた。みんな手伝って。コイツは重いぞ。せーの。」
「喉が渇いちゃった。誰か水持ってない?。」
「お腹がすいてきた、早く休憩しておやつを食べようよ。」
謎クラブは今日も賑やかだ。
みんなは沢山のゴミを拾い、沢山のおやつも食べ終わって、海岸から市内に向かって歩いていった。
「あれ?。例のペット屋がこんなところに現れた。」
「きっと、ペット屋のおじいさんが僕らに用事があるんだろう。」
ここでペット屋の説明をしておこう。
都市市伝説の一つに「困っている子どもにだけ怪獣や妖怪(ペット)を売ってくれる、妖怪みたいなおじいさんの店」の話がある。
その店は、いつの間にか困っている子供の前に現れるそうだ。
そして、子供の悩みを聞いて、それを解決するための怪獣や妖怪を売ってくれるっていうんだ。
その怪獣や妖怪は、見た目は犬だったり、猫や、キツネ、鳥、蛇だったり普通のペットなんだけど、中身は怪獣や妖怪で、主人になった子供を助けてくれるらしい。
店主のおじいさんは妖怪みたいに、しわだらけだけど、子供と怪獣や妖怪が大好きなんだって。
謎クラブのみんなはペット屋に入っていった。
「こんにちは。」
「よく来たの、元気そうじゃないかい。」
妖怪や怪獣のペット屋のおじいさんが顔中をシワにして迎えてくれた。
「おじいさん、僕らになにか用かい?。」
「実はの、おぬしらが妖怪や怪獣を、相棒として大切にしているのを見て、数多くの妖怪や怪獣が子供のペットになりたいと申し出て来たのじゃ。」
「それは良いな。人間と妖怪と怪獣達が一緒に幸せになれる世界に近くんじゃないの?。」
「そうなんじゃが、数が多くて儂だけの妖力では、どの子供が困っいて、どの妖怪や怪獣がその子に合うのか時間がかかって、調べきれんのじゃ。そこでおぬしらに力を貸して欲しいのじゃ。力を貸してくれるかい?。」
「もちろんだよ。僕らに任せてくれるかい?。」
そこで謎クラブのみんなは手分けして調査を始めた。
ケルとハルは候補の子供たちの素行調査に飛び回った。
その報告を受け、子供たちがペット屋に呼ぶ子供たちを選んだ。
選ばれた子どもに聡が質問し、覚がその子の本音を調べた。
クーはどの子供と、どの妖怪か怪獣が相性がいいか占った。
選ばれた子供を、何処で、どうやってペット屋に呼ぶか、子供達は考えた。
これはなかなか大変な作業になった。
子供達は白狐の助けで瞬間移動して日本中を飛び回った。
「もうこれは、マッチングアプリとか作ったほうが早いんじゃないか?。」
学が呟いた。
「でも、もっと沢山の子供に妖怪や怪獣の相棒が出来る喜びを知ってほしいよね。」
みんなはそうだそうだと、賛同して作業を続けた。
まず最初にペット屋に呼ばれたのは北海道に住んでいる、佐久早福生だった。
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