第六話【六月十六日(金) 相馬葵】

 電源を落としている間に、スマホにメッセージがいくつか届いている。

 塩尻さんから夜にメッセージが届いている。それとS.Sからだ。

『葵ちゃん、俺でよければ、なんでも話聞くからね』

 塩尻さんは友人思いで優しい。


 一通りの返信を終えて、私はS.Sとのトーク画面を開いた。

『昨日は英語の授業があったの。授業中に映画も見て面白かった』

 趣向を変えて自分のことを話してみた。

『大学の授業となると、凝っているな』


 S.Sは私が大学生と知っている人物! それならば、だいぶ絞られるかな。けれどプロフィールに職業は学生とあるから、それを見れば私が大学生なのは明白か。

 駅までの道をいつものように歩く。瀬川さんの姿をなんとなく探すと、前方で猫背気味に歩いているのが見えた。

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