プレイ16:第一回イベント②

イベントが始まって数分後、俺は順調にプレイヤー達を倒しつつ、森の中を歩いていたのだが


「何で人が集まってくるんだ?」


俺とプレイヤー達が戦う時は、何故かいつも周りを囲まれるんだよな。


何でだろ?


.......まぁ、いいか。


「【強欲グリード】!!」


そう叫んだ後、スキルを発動する俺。


そして、スキルを発動させたことによって現れた黒板は、プレイヤー達の首を掴むと、ジワジワとHPを削っていった。


「こ、こんなの......ありかよ!?」


首を掴まれ、苦しそうにしながらそう言うプレイヤー。


そして、プレイヤー達はそのまま光の粒子となるのだった。


「ふぅ.......これで何人目だ?」


襲ってくるプレイヤー達の数が多すぎて、途中から数えるのが面倒になったんだよな。


......てか、何で俺ばっかり狙うんだ?


狙う理由がさっぱり分かんないな。


そう思いながら、森の中を歩いていると.....俺は、さっきよりも数が多めなプレイヤー達と遭遇した。


「気をつけろ!!アイツは何かしらの強力なスキルを使ってくるはずだ!!」


そう言った後、杖や本を構えるプレイヤー達。


う〜む.......だったら


「【妖精の粉フェアリーダスト】!!」


まずは、【強欲グリード】以外のスキルを使って、その後に【強欲グリード】を使えばいいか。


「「「「!?」」」」


妖精の粉フェアリーダスト】を浴び、次々と状態異常となるプレイヤー達。


そして、そんなプレイヤー達に対して、俺は【強欲グリード】を発動。


黒い手はプレイヤー達の首を掴み、じっくりゆっくりとHPとMPを奪っていった。


しかし、運良く【妖精の粉フェアリーダスト】から逃れたプレイヤーもいたのか


「「「うぉぉぉぉ!!」」」


そのプレイヤー達は、俺に近づいていった。


「【蝶の舞】!!」

「「「ヘ?」」」


聞き慣れないスキルに対し、そう言葉を漏らすプレイヤー達。


そんなプレイヤー達を尻目に、俺は手のひらから小さな蝶の群れを放つと....それは水流のようにプレイヤー達を飲み込んでいった。


「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」


そんな悲鳴を上げながら、小さな蝶の群れに飲み込まれるプレイヤー達。


.......このスキルもこのスキルで強いな。


そう思いながら、光の粒子と化していくプレイヤーを見つめる俺。


「しっかし....何でまた俺ばっかりが狙われるんだ?」


......まさかとは思うけど、この格好が原因なのか?


確かに、この格好は派手だし、ニチアサの悪役が半端ないけど.....そこまでなのか?


「.....考えても仕方ないな」


そう呟いた後、歩くのを再開する俺。


と、その時.......何かの気配を感じた俺は、【強欲グリード】を発動させ、気配のする方に黒い手を向かわせた。


すると、その気配のした場所に現れた....というよりかは、透明な状態から元に戻ったのか、迷彩服の女性プレイヤーが現れた。


なるほど、こういう感じで景色に溶け込むプレイヤーもいるのか。


「いや〜、まさかバレるとは思わなかったわ〜」


ヘラヘラと笑いながら、そう言う女性プレイヤー。


......この人、さっきまでのプレイヤーとは違う。


何というか....本気で遊んでる感が半端ないな。


「アタシの名前はジェーン・ドゥ。『名無しの権兵衛』......って言えば分かるよね?」

「!?」


おいおい、『名無しの権兵衛』って......


「まさかとは思うけど....アンタ、【フルメタル・オンライン】の!?」


俺がそう言うと、女性プレイヤー.......いや、ジェーン・ドゥはニヤッと笑うと


「大正解!!やっぱり有名になってたか〜」


やれやれという様子で、そう言った。


「まぁ、暴れまくってたから仕方ないけどさ」


そう言うと、二本の短剣を装備するジェーン・ドゥ。


この感じ.......嫌な予感がするな。


そう思っていると、ジェーン・ドゥはこう言った。


「それじゃあ....始めようか☆」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る