プレイ15:第一回イベント①

今日は【ユートピア・オンライン】での初イベントの日。


だからなのか、イベントの会場である『始まりの街』の広場には、たくさんのプレイヤーがいた。


もちろん、SNSでもお祭り騒ぎである。


「おぉ〜!!イベントなだけに、結構な人が集まってるなぁ〜」


周りをキョロキョロと見渡しながら、そう言う俺。


空中には、中継用であろう巨大なスクリーンがあり、そのスクリーンの近くにも、たくさんのプレイヤー達がいた。


多分、あの人達はイベントを観戦するプレイヤーなんだろうな。


「さてと.....ユキくんやアップルちゃんの分まで、頑張るか」


頬をパンパンと叩きながら、そう言う俺。


ちょうどその時、可愛らしいマスコットキャラが空中に現れるのと同時に、こんなアナウンスが聞こえてきた。


『それじゃあ、改めてルールをルールを説明するね!!今回のイベントはバトルロワイヤル!!なので、相手を倒した数と自分自身の被ダメージの数でランキングの順位が決まるよ〜!!』


なるほど.....バトルロワイヤル形式なだけに、倒すだけじゃなくて、ダメージ数もカウントされるのか。


『ちなみに....今からプレイヤーのみんなが転移する場所は、このイベント専用の場所だよ☆』


そう言った後、ウィンクをするマスコットキャラクター。


『それじゃあ、第一回イベント.......バトルロワイヤルの始まり始まり〜!!』


マスコットキャラクターがそう言うのと同時に、広場にいたプレイヤー達を光が包み込み......気がつくと、俺は自然豊かな森の中にいた。


「何かハイキングに良さそうなところだな」


そう呟きながら、戦う相手を探すために森の中を歩く俺。


と、その時......俺の目の前に何人かのプレイヤーが現れた。


「ククク.......飛んで火に入る何とやら、だな」


ニヤニヤと笑いながら、そう言うプレイヤー。


その手には、立派な剣が握られていて


「お前に恨みはないが.....ランキングのために死ね!!」


そう言った後、プレイヤーは剣を振り下ろした。


俺はその攻撃を避けると、【強欲グリード】を発動した。


「【強欲グリード】!!」


スキル【強欲グリード】を発動させた瞬間、影の中から無数の手が出てきたかと思えば.......その手は、襲いかかろうとしたプレイヤーだけではなく、近くに居たプレイヤー達の首を掴んだ。


いやえげつないな!?


「こ.....れは!?」

「悪いな、これが俺の仮面のスキルなんだよ」


首を掴まれ、苦しむプレイヤーに対し、そう言う俺。


そして、【強欲グリード】の効果でHPは削られていき.......


「く....そが」


とうとうHPがゼロになったのか、プレイヤー達は光の粒子となったのだった。


「最初だから、まずまずってところだな」


そう呟いた後、再び森の中を歩く俺。


このペースだと、数分後にまたプレイヤー達が来そうだな。


と、そんなことを思っていたら


「居たぞ!!」


別のプレイヤー達が現れた。


「うわっ!?もう来るのかよ!?」


さっきプレイヤー達を倒したばっかだぞ!?


「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」


.......う〜む、さっきよりも数が多いな。


なら、アレを使うか。


「【妖精の粉フェアリーダスト】!!」


そう叫ぶのと同時に、俺の手のひらからキラキラと輝く黄金の粉が放たれ.......その粉をもろに浴びたプレイヤー達はというと


「「「「ギャアアアア!?」」」」


ランダムに与えられた状態異常に苦しんでいた。


この隙に俺は【強欲グリード】を発動すると、黒い手はプレイヤー達の首を再び掴み、光の粒子と化すまで、その手を離さなかった。


「【妖精の粉フェアリーダスト】も【妖精の粉フェアリーダスト】でヤバいな」


苦笑しながら、そう呟く俺。


とまぁ、そんな感じで森の中を歩きつつ、プレイヤー達を倒していく俺なのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る