【仮面使い】とイベント

プレイ14:イベントへの下準備

【ユートピア・オンライン】で、初めてのイベントが開催されるらしい。


その情報は、あっという間にネット経由で全世界で広まり......ネット上では、イベントを楽しむ人や、イベントのためにレベル上げをする人の投稿で溢れかえっていた。


かくいう俺も、イベントのためにレベル上げをしているうちの一人で.......


「【強欲グリード】!!」


『始まりの街』の近くの森にて、モンスター達を倒していた。


『ギャォォォォン!?』


強欲グリード】によってHPを削られ、悲鳴を上げながら消滅するモンスター。


......いつ見ても、このスキルはチートだなぁ。


「さてさて、ステータスの方は.....」


ハチ

レベル:26

職業:【仮面使い】

出身:ホムンクルス

所持金:5050G

HP:85(+50)

MP:165(+140)

攻撃力:80(+37)

器用さ:82(+50)

耐久力:152(+130)

瞬発力:90(+45)

知力:64(+37)


装備

頭【強欲の仮面】

体【常世のローブ】

右手【装備不可】

左手【装備不可】

足【常世のズボン】

靴【常世のブーツ】

装飾品【空欄】【空欄】【空欄】


スキル

風の刃エアカッター】【妖精の粉フェアリーダスト】【麻痺耐性】【蝶の舞】


おぉ、そこそこレベルが上がったな。


んで、装備のおかげでMPと耐久力、それから瞬発力も上がったから、ある程度は強くなったのかな?


あと、輪廻蝶から奪ったスキルも中々の性能だし、これは良いスキルを奪ったな。


と、そんなことを思っていたら、どこからか通知音が聞こえた。


どうやら、フレンドであるユキくんとアップルちゃんからメールが来たらしい。


「どれどれ.......」


ユキ:すみません!!イベントに参加する予定だったんですけど、イベントの日がテスト期間だったので、参加できなくなってしまいました.....

アップル:私もユキと同じ理由でイベントに参加できないので、本当に申し訳ないです....


「そっか、確かに二人とも学生っぽかったし、仕方ないよな」


しかも、テストなら尚更だな。


ん?


てことは.....


「....俺が一人でイベントに参加するってことになるな」


それはそれで寂しいけど.....まぁ、何とかなるか。


そう思いながら、ユキくん達に向けて返信をする俺。


ハチ:了解!!二人ともテスト頑張れ!!

ユキ:頑張ります!!

アップル:私達の分まで頑張ってください!!


俺のメールに対し、そう返信するユキくんとアップルちゃん。


何となくだけど、メール越しにエールを貰った感じがするな。


「私達の分まで.....か」


二人の分まで、色々頑張らないとな。


そう覚悟を決めた後、メール画面を閉じる俺。


「そういえば、今回のイベントはバトルロワイヤル形式だってユキくんが言ってたな」


ということは、他のプレイヤー達が襲いかかる可能性があるな。


でも、【強欲グリード】はプレイヤーからスキルを奪えないから、とりあえずHPを削るのに使うのもあり....か。


「何はともあれ、対策を取らないとな」


そう呟いた後、俺は森の中を歩き始めながら、レベル上げをするのだった。

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