プレイ7:【仮面使い】爆誕
「お前さん、大丈夫か?」
「ぅ......?」
ゴンさんの声を聞き、目を開く俺。
.......どうやら、俺は【強欲の仮面】の主として認められたらしい。
その証拠に、【強欲の仮面】が俺の顔に張り付いていた。
「その様子じゃと、【強欲の仮面】に認められたようじゃな」
俺の顔を見て安心したのか、ホッとした顔でそう言うゴンさん。
.......俺のことを信じてくれていたとはいえ、ハラハラしてたんだろうなぁ。
と、そんなことを思っていたら
〈クエスト【強欲の仮面】が完了しました。報酬を受け取りますか?〉
頭の中にアナウンスが聞こえるのと同時に、クエストの画面が出てきた。
決定ボタン?もちろん押したに決まってるだろ。
んで.....一応、【強欲の仮面】の情報を見てみたところ
【強欲の仮面】
〈概要〉
【攻撃力+25】
【器用さ+20】
〈説明〉
ユニークシリーズ【七つの大罪】の一つであり、強欲の名を持つ仮面。
強欲の名の通り、ありとあらゆる物を奪う力を持っている。
〈所有スキル〉
【
ありとあらゆる物を奪い、我が物とするスキル。
奪った物がHP・MPだった場合は自身のHP・MPが回復し、スキルの場合は自分のものとなる。
ただし、相手がプレイヤーだった場合、HP・MP・スキルは奪えない。
【悪魔の加護】
攻撃をした相手に呪いを付与する。
この加護を持つ武器を装備している場合、呪いの効果を受けつけない。
「いやチートぉ!?」
何これ!?チートすぎて逆にヤベェよ!!
てか、こういう能力があるのなら、プレイヤーたちが必死になって探すわけだな。
「うむ!!やはり良い男には仮面が似合うのぉ!!」
仮面を被った俺を見ながら、そう言うゴンさん。
.......なんか嬉しいなぁ。
「あ、あはは.....」
ゴンさんの言葉に対し、照れながらそう言う俺。
「......お前さんみたいな【仮面使い】に巡り会えて、きっと【強欲の仮面】も嬉しいはずじゃよ」
俺みたいな【仮面使い】......か。
「そう....かもしれませんね」
ゴンさんの言葉に対し、そう呟いた後、あの男の姿を思い浮かべる俺。
「ワシはな、どんな仮面でも持ち主になる人間が見つかるのがとても嬉しいんじゃ。だから、先祖が受け継いだ仮面がお前さんを認めたことも、ワシにとっては嬉しい出来事なんてじゃよ」
ゴンさん.......
「何をしんみりした顔になっとるんじゃ!!そんな顔をしていたら、【強欲の仮面】に呆れられるぞ!!」
「.......ですね!!」
そう言った後、ニコッと笑う俺とゴンさん。
「あの.....ちなみに、【七つの大罪】って他にはどんなものがあるんですか?」
「さぁ?そこまで知らん」
そうか、【七つの大罪】のアイテムの一つを持っていたとしても、その情報を持っている......というわけでもないってことか。
「だが、ワシのように【七つの大罪】の一つを譲った者もいるのかもしれない」
俺の言葉に対し、腕を組みながら、そう答えるゴンさん。
「まぁ、何はともあれ.......店を手伝ってくれて、ありがとうな」
ニッと笑いながら、俺に向けてそう言うゴンさん。
そんなゴンさんに対し、俺は
「こちらこそ。貴重な仮面をくださり、ありがとうございます」
そう言った後、深々と頭を下げる俺。
「仮面のことで何かあったら、いつでも来い!!いいな?」
「はい!!」
そんなわけで、ゴンさんのお面屋を後にした俺は、路地裏を抜けた......わけではなく、そのままログアウトした。
時間的にちょうど良かったし、何より、初プレイ時にユニーククエストをクリアできた。
そのことだけでも、俺はとても嬉しかった。
「......明日はレベル上げでもしようかな?」
そう呟いた後、ベッドから起き上がる俺。
何だか、今日のご飯は美味しく食べれそうな気がした。
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