プレイ5:【強欲の仮面】

ユニーククエスト。


それは、クエストのなかでも特殊なクエストで、【ユートピア・オンライン】の世界観に関わるとされるクエストらしい。


しかし、肝心のユニーククエスト自体の情報は少ない上に、解放条件も分からないため、そのユニーククエストの情報だけでも、大金を払う程の価値があるとされている(ネット情報)。


なので.....今現在の俺は、腹を決めた状態で、ユニーククエストに挑んでいた。


「そんなに緊張しなくてもいいんじゃが.....まぁ、物が物だから、仕方ないかの」


緊張気味な俺に対し、そう言うゴンさん。


そして、ゴンさんが箱に触れると......そのまま箱を開いた。


「!?」


箱の中にあったのは、何とも禍々しい仮面で、悪魔と言っても過言ではない物だった。


「これこそがワシの一族が代々受け継いできた仮面.......【七つの大罪】と呼ばれるユニークアイテムの一つ、【強欲の仮面】じゃ」

「【七つの大罪】.......」


ユニークアイテムって.....確か、ユニーククエストをクリアすると手に入れられる、唯一無二のアイテムだったはず。


てことは......このクエストを成功させれば、ユニークアイテムの一つをゲットできるってことか!?


うん、これは頑張るしかないな。


でも、その前に......


「あの、そもそも【七つの大罪】って何ですか?」


まずは情報収集だな。


「そうか!!今時の若いもんは【七つの大罪】のことを知らんか!!」


俺の言葉に対し、ゴンさんは驚いた様子でそう言った後


「まぁ、ずっと昔の話だから、知らなくて当然か」


また一人で納得していた後、【七つの大罪】と呼ばれるユニークシリーズについて説明してくれた。


【七つの大罪】とは、【ユートピア・オンライン】の舞台となっている世界.....【ガイア】にて、今から200年前に作られたとされる特殊なアイテムで、七つの罪をモチーフにした七つの強力かつ特殊なアイテムなのだとか。


しかし......その力があまりにも強かったため、【七つの大罪】を制御することが出来ず、逆に使用者がその力に溺れる事態にまで発展したため、【七つの大罪】を作った存在は、信頼できる人々に【七つの大罪】を管理する役目を与えた後、そのまま姿を消したとのことらしい。


そして、ゴンさんの一族が代々受け継いできた【強欲の仮面】も、【七つの大罪】の一つで.......その強力な力を欲する権力者から逃げるため、この街に逃げてきたとゴンさんは語った。


「そんなトンデモアイテムを、俺にくれるんですか?」

「そのつもりじゃが?」


うん、この目はマジだ。


「ハチ。お前さんのような奴なら、きっと【強欲の仮面】の力を操ることが出来るはずじゃ。それに....」

「それに?」

「悪い奴に奪われるよりかは、こっちの方がいいと思っただけじゃ」


悪い奴に奪われるよりかは.....ね。


なら、ありがたく貰わないと!!


そう思いながら、恐る恐る【強欲の仮面】手に取る俺。


その瞬間、【強欲の仮面】は勝手に動き出し.......空中に浮いたかと思えば、そのままの勢いで俺の顔に張り付くのだった。


「ムグッ!?」


突然の出来事に対し、驚く俺。


そして、そのまま意識を失い.......目が覚めると、そこは真っ黒な空間で


「よぉ、待ってたぜ」


そこには、仮面の装飾の雰囲気に似たの謎の男がいた。

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