第11話:戦い終わって。

「ハジメちゃん大丈夫?怪我ない?」


メーヴェがハジメを心配して降りてきた。


「大丈夫だよ、ここまで被害はなかったからね」


「あいつらまた来るかな?」


「来たら返り討ちだよ」

「でもストロベリーなんて、まだ弱いほうだよ」


「宇宙にはもっと強いやつがいっぱいいるからね」


「上には上ってことか・・・」

「そう言うやつは、頼むから 来ないでほしいな・・・」


「地球って、地球自身も生き物も弱っちいから、狙われやすいんだよ」


「それは分かる気がする・・・」

「ところで君って、本当にそのなんとかって星の天使なの?」


「なんとかじゃなくて、第10惑星4771-1002星だよ」


「天使って一般的には、もうちょっと上品じゃなかったっけ?」


「私、そんなに下品?」

「下品って言うか・・・上から目線っていうか・・・」

「もうちょっと女の子らしくしたほうが可愛く見えるって言うか・・・」


「げ〜キモ〜」


「キモ〜って・・・天使だろ?」

「ん〜まあいいか・・・贅沢言ったらキリがないもんな」

「君はそのままでいいよ」


「そう?ハジメちゃんの望む素敵な女になってあげようと思ったのに?」


「まじで?」


「バカハジメ・・・真に受けて・・・」


「からかうなよ」


「人だって宇宙人だって同じだよ、そんなに急には変われないよ」

「時間が必要なんだよ・・・」


「そうだな、ゆっくりでいいよ・・・」


「ところでさ・・・」

「君の持ってた杖って、どこから出てきたの」


「あ〜あの杖ね・・・ケーリュケイオンって言って 神様が正義のために使う

ようにって条件で私に授けてくださった杖だよ」


「だから私にしか使えないの」


「普段は分子レベルで空中に浮遊してて常に私の周りにいるんだよ

でね、 私が呼び出せば結合して瞬時に杖になって現れるんだよ」


「すごい杖だね・・・」


「それにどこにも神様っているんだ」


「神様がこの宇宙を作ったって・・・教えられたけど・・・」


「そうなんだ・・・神様ってひとりじゃないんだね」

「でも、メーヴェのおかげで地球は救われたよ」


「ここを、あんなババアに占領されたくないでしょ」

「ハジメちゃんと仲良しこよしでデートできなくなるもんね」

「ここはセコいエイリアンも混じってるけど、それが平和でいいんだよ」

「地球の人たちも、そういう連中と折り合いをつけて仲良くやってるみたい

だし・・・」


「世の中善だけじゃいけないんだよ、少しは悪もないとね、それでバランスが

取れてるんだから」

「表があるから裏がある・・・この世に男と女がいるようにね」


「なんか哲学的」

「君は不思議な子だな・・・」


「そう?普通だよ」


「あんな、すごい立ち回りしといて、普通?」


「そ、あれが、普通の私」

「そんなことよりさ・・・」


「戦ったらお腹減った・・・お家へ帰ろうハジメちゃん」


「腹が減りすぎて電車やタクシーに乗るのも面倒くさがったメーヴェはハジメを

抱えて、彼の家に向かって飛び去った。


つづく。

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