第10話:出でよ、ケーリュケイオン。

「リンクスありがとうね、おかげで体力回復したから・・・」


「さあ、反撃だよ」


「反撃などさせるか、おまえも喰らえ」


カオスは手っ取り早く決着をつけようとまたクチからビームを放った。


「そんなもの、私に効かないから」


瞬時にバリアを張ったメーヴェはカオスの放ったビームを跳ね返した。


「恐れ入ったな、一気にカタをつけようと思ったがバリアを張れるとはな」


「ビームなんてそんな簡単なこと私だってできちゃうよ」


「10倍返しだよ!!」

「出でよ、ケーリュケイオン」


メーヴェがそう言うと空間から光とともに一本のワンド「杖」がメーヴェの

前に現れた。

メーヴェはケーリュケイオンを手にしてパワーを注入すると


「デストロイ・エンジェル!!」


そう言って超特大の稲妻をカオスに向かって放った。


カオスのビームより10倍強い電撃!!。


「洒落臭い・・・そんなもの・・・」


10倍もの電撃を食らったカオスだったがカオスもバリアを張って電撃を

跳ねかした。


「くっ・・・まともに食らっていたらヤバかったな・・・」

「まさか「神」しか使えないケーリュケイオンを操るとは・・・ただの小娘

じゃないな・・・あなどれんわ」

「おまえ、どこの出だ」


「第10星雲4771-1002、ラブヘブン」


「あ〜なるほどな、あおこならよく知ってる・・・行ったことはないが

その星の天使たちが喧嘩したさい月をひとつ破壊したって話は有名だからな」


「メーヴェ・・・おまえたちだったとはな・・・」


「そんなことどうでもいいでしょ」

「決着つけましょ?」


メーヴェは間髪入れずカオスを攻撃した。


「エクスティンクション・エンジェル!!」


そう言うと再び ケーリュケイオンの先から今度はさっきより何十倍も

凄まじいビームが放たれた。


すかさずカオスは再度バリアを張ったが、メーヴェのビームにカオスはバリアを

破壊されると、まともにビームを食らい弾かれて地上に落ちていった。

メーヴェはそのまま、カオスが落ちたあたりめがけて再びビームを放った。

カオスが落ちた一帯は ケーリュケイオンから放たれたビームで一気に薙ぎ

払われた。


カオスが落ちた周辺は瞬時に焼き尽くされ眩しい光とともに街の一部は完全に

焦土と化した。


運良く、そのあたりに住んでた人たちは最初にザクロが偉そうにくっちゃべってる

間に警察や自衛隊の誘導によって避難が終わっていて誰も犠牲にならずにすんだ。


「すげえ・・・なんかSF映画観てるみたいだ」


「あれが俺の彼女?・・・めっちゃ最強じゃん」

「ちょっと早まったかな・・・」

「ケンカなんかした日には、俺、即、消されるかも・・・」


幸いにもハジメがいたあたりは、なんの被害も被らなかった。


UFOの中でふんぞり返っていたストロベリーはその光景を見てビビった。

瀕死の重傷を負ったカオスはストロベリーに助けられて捨てゼリフを吐いた。


「私の負けだが・・・今後の楽しみができたわ・・・かならず地球に帰って

来るからな・・・メーヴェ覚えておれ」


ストロベリーは戦意を喪失して這々の態で、これまた捨てゼリフを吐いて

UFOに乗って退散して行った。


「覚えてろ・・・バカ天使が・・・くっ」


「今度・・・地球に来たら・・・ボコボコにして裸に剥いて燃えないゴミの

日に出してあげまるからね」


メーヴェはストロベリーに向かって悪口雑言を言った。


「メーヴェ、覚えてろよ今度地球に来たらベコベコにしてブラックホールに捨て

てやるからな」


ヘタレザクロも捨てゼリフを言ってUFOに乗ってすごすご引き上げて行った。


「二度と、この地球に来にでね、おマヌケでおバカのみなさん」


子供の頃、楽しみに見ていたウルトラマン・・・かっこよくやってきて 怪獣を

倒すシーンを見て子供心に歓喜に沸いたが、大人になってふとある日疑問がわいた。


あれだけ怪獣と激しいバトルをしてビルや街が壊されても誰も文句を言わないし

警察も自衛隊も出てこない。

騒ぎにもならない・・・これは?


いっぱい被害を被ってる人もいるのにウルトラマンは弁償もしないで 勝ち誇って

光の国へ帰っていく。

怪獣倒してやってんだから、その辺は「大目に見ろよ」って「三年目の浮気」の

歌詞みたいな感じなんでしょうかね。


まあ、なんて夢のない・・・いつから僕はそんな現実主義者になったんだろう。

少年のままでよかったのに・・・。


まあ、SFとかヒーローものは非現実的でいいんだと思うね・・・。

そこに生活感があってはいけないのだ、やっぱ夢とロマンがないと・・・。


ってことでメーヴェが破壊した街の一部は、その後なにごともなく新たな商業地へ

と変わっていった。


つづく。



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