第3話 アバター
「・・・え?あの何を「では、アバター作成に移らせていただきます。
そちらに見えているパネルの項目に、押すとイメージすれば変更されていますので、試しに変えてみてください」
何を言ったのか聞き取れなかった男は、球体にもう一度話しかけようとしたが言葉を遮られ、目の前に人間と小さなパネルが出てくる。
(バグかな?今日から正式サービスされたから不具合もあるか)
そう判断し男は気にせず、球体さんのアバター作成の説明通りの事をやっていく。
「なるほど、手がなくても意識すれば反応してくれるのかぁVRも進化してて便利だなぁ」
同じVRでも昔の手にコントローラーを持ちながらゲームをやるような時代ではなくなったんだなぁ、そんなことに感心していると。
「変更ができましたね。
アバターが出来ましたら、パネルの下を見てもらえればスクロールされて完了ボタンがありますのでそちらを押してください」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
そういいながら男は、まず3つの国家の内のどれにしようかとパネルを見ていく。
まず目に入った人間種の国、国名はルミナス国、国旗のシンボルには麦と太陽が入っている。
獣人種の国は、ドーントレス国、シンボルには山が入っていた。
最後の魔人の国、インペリアス国 シンボルには雲と稲妻か。
男は一つ気になったことを球体に聞いてみる。
「あの、どういう国なのかが分からないんですがこれってバグってます?」
「いえ、正常です。そちらが空欄なのは、今後アナタやプレイヤーの方々の起こす行動で決まっていきます。
詳しい説明は是非あちらの世界へ行き見てください」
男はそれを聞き
「・・・そうなんですね・・・ありがとうございます」
国名と国旗があるなら何か意味があるんだろうなぁと思いつつも
行けよと急かされてるみたいで男は深く考えずアバターを選んでいく。
「人・・・ね、ほかのを選びたいな。
獣人かぁ、モフモフでかわいいなぁ、でも自分のアバターよりも見るほうがよさそう、次が魔人・・・エルフ、ドワーフ・・・鬼は美形すぎるな、あ」
一つ一つ声に出しながら見ていくがほとんど惹かれず、魔人種の中に「鬼」という文字に目を惹かれたがほとんど美形で、自分がもう少し若ければ選んでいたかもしれないなと思いつつ、次に出てきた緑色の肌の醜い顔の「ゴブリン」に惹かれた。
「顔こうしてこう・・・、身長は最高で150cmか148cmにして・・・服はラフな格好しかないか中世にあったような白いシャツに茶色の長ズボンにして・・・うん、完成かな・・・あ、名前か、アルクでいいか、それと鞄なんてものもあるのか」
パネルの鞄説明を読むと映像が付いていて、
これまでのRPGゲームとは違いFlow of Worldの世界で手に入れたアイテムなどは鞄にしまい行動するなどの説明が書いてあった。
「球体さん、鞄によっての機能が異なることはありますか?」
「機能はすべて同じですので気に入った鞄を選んでください」
「ありがとうございます。それじゃぁ冒険心のくすぶる大きな黄色の鞄にしようかな」
そういいながら自分の体の半分以上を埋める鞄を選択し、男は自分の出来上がったアバターを見つめた。
「仮想世界でもか・・・球体さん出来ました!」
少し苦笑し男はそう言い完了ボタンを押すと。
「長い間お付き合いありがとうございました。
修正したい点などはございませんか?
「ありません、こちらこそありがとうございました!」
男は体なんて物がないが頭を下げるイメージをし球体に感謝を述べた。
「では、アルク様Flow of Worldの世界を楽しんでください」
その言葉と同時に自分の目の前が暗くなっていった。
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