ゴブリン如き
めも
違う日常
第1話 はじまり
夕暮れの活気のある街中、様々な人々とすれ違いながら薄汚れた作業着を着た男はエコバックを片手に持ち歩く。
少し歩けば目的の場所についたのか、ドアの前に立つ男は胸ポケットからカードを取り出しドアノブ近くにある機器にカードを通した。
「ガチャ」と音と共にドアノブを回しドアを開け中へと入り。
「ただいまー」
男はいつもの行動をしていく。
帰れば一声かけ、洗面所へ向かい、手洗いをし、持ち帰った食材を冷蔵庫に入れていき、終わればシャワーだけの風呂に入り、出れば明日のための話題作りのためにスマートフォンを眺めながら夕食を済ませ片づける。
ここ数年変わらない行動。
これからも変わらないと思える日常を耐え続けるのだと思っていた。
でも、今日は違った。
男は布団の上に置いてある機器を見つめる。
「・・・生まれ変われるか・・・」
男はボソっと独り言をつぶやき、説明書を読みながら布団に横になりその機器を手に取り頭に装着し、その機器の電源を入れ瞳を閉じた。
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