第17話 永遠の友情
それからは、話が早かった。
事務所全体方針として、注意喚起が出され。
最大手事務所の方針は、業界を揺るがし……ある程度の規模の事務所は、追従せざるを得なかった。
あわわんの配信では、1ヶ月の投げ銭停止措置が取られた。
別途、会長から花形には注意が行き。
投げ銭が停止していた影響で、若干の冷静さを取り戻していた花形は、これを素直に聞き入れた。
子供の為の貯蓄等は、会長が援助する方向で話がついた。
花形……お前という奴は……
香織には、改めてお礼を述べ。
モノアちゃんにも、軽く状況は共有しておく。
……流石に、個人情報は漏らせないので、そのあたりは気をつけて。
それにしても。
今度の1件で、確信を深めた。
白江さんとの、強い友情、強い信頼、強い絆を。
男女の違いを乗り越えた、揺るぎない信頼。
白江さんとなら、何でもできる気がする。
きっと、白江さんも同じ気持ちの筈だ。
こういうのは、言葉にしておいた方が良い。
全てが上手くいった、感謝を込めて。
「白江さん」
「はい?」
きょとん、とした顔で振り返る。
「今回の件で確信したんだ。俺は、白江さんに、ずっと横に歩いていて欲しい。よろしくな」
永遠の友情を願う、言葉。
改めて口にするのは恥ずかしいけれど。
でも、告げておきたかったんだ。
う……
泣いた!?
「嬉しい、です。私も、一緒にいたい、です」
不意に。
白江さんが俺に抱きつき。
いや、いくら親しい友人とは言え、これは──
いや。
俺は不意に、悟った。
自分は、勘違いしていたのではないだろうか。
そんな気づきが、薄氷を剥がすように、心を溶かしていく。
そう、単純に考えて。
未婚の男女が、同棲していて。
ずっと一緒にいたい、と言えば。
それは──
誤解を解くか?
いや、馬鹿だ。
そんな事をすれば、全てを失うし……そもそも、人としてどうかしている。
白江さんが好きか?
Yes。
最高の友人だ。
では、恋人として見れるか?
嫌い、ではない。
なら──。
白江さんを抱きしめると、囁く。
「ありがとう。受け入れてくれて」
結局。
分かっていなかったのは、俺だったのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます