第32話 ダンジョンでウルフと対決
「ロ、ロラン師匠、怖いです!」
ダンジョンに入ってから10分、俺たちは階段を降りていた。
一番前を歩くのはクレハとセレスで、その後ろに俺とリアが歩いている。
「クレハ、まだ序盤だろ?」
俺はそう言ってクレハをなだめる。
「ロラン、ここのダンジョンは何階層まであるんだ?」
「そうだな、教師はあんまり階層が無いダンジョンだって言ってたから、10階層位までじゃないのか?」
俺たちは話しながら階段を降りていく。
原作では、このダンジョンは10階層で終わりだった。
10階層にはボスと呼ばれる魔物がいる。
そいつを倒せば、お宝である『神玉』を入手でき、このダンジョンは攻略したと言える。
神玉は魔王と戦うのに必要となってくる武器だ。
そして神玉を入手した後は、クレハの剣のレベル上げをする。
俺はそんな事を考えながら、階段を降りきる。
そして目の前には1つの扉があった。
「ここから魔物が襲ってくる可能性もある。全員、注意を怠るなよ?」
俺がそう言い終えた後、俺が扉に手をかけて開ける。
「うわ、迷路みたいですね」
扉の先には大きな1本道があり、左右に道が分かれている。
「リア、ここからどう進む?」
「では左から行きましょう。 魔物の気配もあまりしませんし」
「分かった」
俺たちはリアに言われた通り、左の道へ進む。
道を歩いている間は特に魔物は出てくることはなく、順調に進む事ができた。
だが100歩程進んだところで、異変が襲う。
『グォォォォォォ!』
突如そんな叫び声が聞こえたかと思うと、目の前に大きな魔物が現れる。
その魔物は3メートル程の大きさで、鋭い牙が生えている。
そして手や足は人間のような形をしており、まるで二足歩行する獣のような姿だ。
「これはこれは、ウルフの上位種か……」
この魔物はウルフの上位種と呼ばれる魔物で、普通のウルフより強い。
こいつらは群れる習性があり、複数で連携攻撃を仕掛けてくる。
だが今はダンジョンであり、複数で群れる事は出来ない。
つまりタイマンだ。
「師匠、ここは私にやらせてください!」
そう言ってクレハは前に出て、剣を構える。
「それじゃあ任せたぞ」
俺はそう言い残して、後ろに下がる。
セレスとリアも同様に後退した。
するとクレハは自身の魔力を解放する。
『ガルゥゥゥゥ』
その魔力を視界に入れたウルフの上位種は怯え始めた。
上位種の魔物が一瞬でも危険だと認識するほどだ。
まるでその力を見せつけるかのように、クレハはゆっくりと剣を抜く。
《炎剣》
突如クレハの剣が炎を纏い始める。
まるで地獄の業火を想像させるその炎は、全てのモノを燃やし尽くしてしまうかのようにメラメラと激しく燃えている。
『グァァァァァァ!』
ウルフは大きく飛び上がり、クレハに噛み付こうとする。
だがクレハはそれを迎え撃つように飛び上がる。
《炎閃》
クレハは空中で剣を振ると、刀身から炎の斬撃が飛び出す。
そしてウルフはなす術なく、その斬撃を喰らった。
その瞬間、激しい爆発音と共にウルフは灰となって消えてゆく。
「ふぅ、そんなに強くないわね」
クレハは一息つき、剣を振り鞘に収める。
そしてこちらを向いてきた。
「どうでしたか師匠!」
クレハは褒めてほしそうに、俺の事を見つめてくる。
クレハの動きには全く隙が無かった、流石だ。
原作でもクレハは、セレスと同等の力を持っていた。
その強さは伊達ではない。
「よくやったぞ、クレハ」
俺はそう言い、クレハの頭を撫でる。
するとクレハは嬉しそうにする。
「師匠が魔法を教えてくれたおかげです」
クレハはそう言って俺の方に寄りかかってくる。
するとそんな俺たちを見て、リアが頬を膨らます。
「さあ、そろそろ先に行きましょう!」
そう言ってリアは歩き始める。
俺はクレハの頭から手を離して、リアの後を追っていき、ダンジョンを進んでいくのだった。
―――
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