第56話 夏

梅雨の季節、これが、

明けてしまえば、もう夏だ。

今までなら、季節感の、

無い生活をしていたから、

仕事して、帰って、寝る。

そう言う毎日を、送ってた。

暑いか、寒いか。

只、それだけ。。


今は、違う。今日も、

仕事から、帰って来て、

風呂に入ってから、

大きくなった、彼女の、

お腹に、耳を当てている。

と言うか、家にいる時間は、

殆ど、幸恵に、べったりと、

しているのが、俺の、

日課だ。最近は、彼女が、

よく、膝枕をしてくれる。

俺は、あまり、母親を、

知らない。

幸恵は、

その分、俺を甘やかして、

くれてるのかも知れない。


先日、診察を受けた際に、

先生が、画像を見て、

男の子ですねと、

言ったので、

子供の性別は、

聞かなくても、

知らされた。

あの時は、彼女と、

顔を見合わせて、

男の子かぁ。

と笑ったけど。


今、目の前で、彼女が、

編み物をしている。

幸恵って、手先器用だね。

ん。何が?

編み物をしながら、

そう答える。

料理も、そうだし、

編み物もそうだし、

何か色々。

普通だよ、普通。

と言って笑う。

これ終わったら、

誠にも、作ってあげるね。


え、何作ってくれるの?


今年は、帽子かなぁ。


帽子かぁ。嬉しいよ。

ありがとう。と、

抱きつく。


もうっ。

誠に抱きつかれると、

動けないから。



ああ、ごめん、ごめん。


そろそろ、ご飯出すね。

編み物を、かごに乗せると、

幸恵は、立ち上がり、

台所へ。


今日は、カレー。

帰って来た時、

匂いでわかっていた。

ご飯を皿によそって、

幸恵に渡す。


よそられたカレーは、

とてもいい匂い。

テーブルに運び、

席に着くと、

いただきます。

と声を揃える。

市販のルーを、

使わない、彼女の、

カレーは、お店に、

出してもおかしくない程、

美味しい。最近は、

味の、濃い、薄いが、

多少あるが、それでも、

充分美味しい。


ご飯を食べ終わり、

洗い物をすると、

最近は、二人で、

果物と、野菜で作る、

ジュースを飲むのが、

日課になっている。

何でも葉酸と言うのが、

妊婦にいいと、聞いた

俺は、本屋で調べて、

葉酸の入ってる

野菜を入れた、果物の、

ジュースを、幸恵に、

飲んで欲しいと、

ジューサーを買ってきて、

先週から、作っている。


幸恵も、美味しいと、

言ってくれるので、

毎日、欠かさず、

作っているのだ。


はい。出来たよ。

ありがとう。

誠の野菜ジュース、

本当に美味しいよ。


この、果物の酸味が、

凄い好き。と微笑む。


それ以外でも、妊婦が、

食べない方がいい食べ物、

など、俺にしては、

勉強してる。


そうやって、22時位まで、

ゆっくり過ごすと、

早めに、就寝する。


今日も、幸恵に、

くっついていると、

知らない内に、寝ていた。。
































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