第52話 ローテーション

日差しがだいぶ、暖かくなり、

現場作業し易い季節になった。

桜も、ちらほらと咲き出し、

春も、本番に近付く。

今は、二週間に、一回、幸恵を

病院に連れて行く為、休みを、

貰っている。

幸恵は、自分一人で、大丈夫と

いつも、言ってくれるけど、

実際、可能な限り、

お腹で育つ、子供の成長を、

一緒に見たいからと、彼女を、

説得して、付き添っている。

今の所、異常なく、育って、

くれている様で嬉しい。

まだ、あまり、お腹に、変化は

無いけど。一日、何回かは、

お腹を撫でるのが、

俺の幸せな、日課だ。


今日も、仕事帰りに、駅ビルに、迎えに来ていて、

何時も通り、ケーキ屋さんの、側で待っている。


元々、幸恵は、5時迄の、仕事だったが、妊娠してからは、

入る時間を、バスの混まない

時間に、変えて貰い。その分、

七時までの勤務に、変更して

貰っていた。その為、

余程の事が、無い限り、

彼女を迎えに来れる様に、

なった事も嬉しい。


まことー。彼女に呼ばれて、

俺は、歩み寄る。

体調、大丈夫?

そう聞くと、うん。大丈夫。

私、つわりとか殆ど無いし。

少し熱出たのも、

あの時だけだもん。


良かった、大丈夫なら。


誠も、疲れてるのに、

ありがと。と、微笑む。



今日は、

少し買い物するんだよね。


うん。

食料品少し、買っておきたい。


じゃあ、行こうか。


エレベーターで、一階に下りる

と、食料品売場だ。最近、

彼女は、臭いに、敏感になり、

魚の臭いが、全く駄目らしく、

今日も、魚売場をうかいして、

カートを押して歩く。


実際、買い物は、カートを俺が

押して、彼女が、立ち止まると

俺も止まり、かごに、商品が、入るシステムだ。


俺たち夫婦は、好き嫌いが、

同じなので、買ったのもは、

間違いなく、お互い食べれるし

食事に関しては、最近、

彼女の作りたい物が、

俺の食べたい物になっている。

そのくらい、幸恵のご飯は、

本当に、美味しいのだ。


かごに、値段や、賞味期限を、見ながら、テキパキ、入れて

いく様は、見ていて気持ちいい


今日は、これで、揃ったよ。

レジして帰ろ。と、微笑む。


了解。そう言って、レジで、

会計を済ませると、手早く、

袋に詰めて、帰宅する。


ただいまぁ。と言いながら、

部屋に入ると、慣れた手付きで

幸恵が、冷蔵庫に、食料品を、詰める。


誠、お腹空いてるでしょ。

何か作るね。

俺も、手伝うよ。作業服を、

脱ぎながら、そう言って、

近付くと、幸恵に、じゃあ、

もう少ししたら、手伝ってね。

そう言われ、取り敢えず、

お風呂の支度をしに行く。


お風呂を沸かしてる間に、

いい匂いが、してきて、

お腹が、ぐぅっと鳴る。


幸恵の側に寄ると、

誠、ご飯よそってと、頼まれる


もう、毎日、この流れ。


完全に、この流れなのだけど、

それが、心地よい。


今日は、酢豚と、味噌汁、

そしてサラダが、出てきて、

何時も通り、俺は、おかわりを

する。


ご飯は、幸恵。お風呂は、俺。


以前と変わった事と言えば、

この前、話し合って決めた、

食器を洗うのも、子供が、

生まれるまでは、俺がやる事にして貰ったくらい。


幸恵に、先に、お風呂に行って

貰い。その間に、俺が、洗い物をする流れだ。


子供が、出来ても、俺には、

肉体的な、負担が無い事を、

理由に、幸恵を説得したのだ。

洗濯物は、

二人で、干してるけど。。


その代わり、疲れが残るからと言う理由で、遅くまで、起きてると、幸恵に怒られる様に、

なった。


今は、凄く健康的と言うか、

真面目な毎日を送っている。


今日も、幸恵にくっついて、

お腹に、手を当てていると、

知らない内に、眠っていた。。


















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