第44話 報告

婚姻届にサインしてから、

実家に、連絡して、

挨拶に行く。

散歩がてら、二人で、歩く。


誠、子供って、何人欲しい?

俺は、二人は、欲しいかなぁ。

私も。兄弟いなかったから、

2人は、欲しいね。

現実感あるね。なんか、

入籍するって。

今になって思うよ、

私が、拗らせたんだね。色々。


そんな事はないよ。

考えとか、気持ちの整理って

俺もそうだけど、

やっぱり、

引っ掛かってるものがあれば、

あるほど、出てこない答えが、

あるんじゃないかと、思う。

だからさ、

あの時の、幸恵の答えは、

俺は、別に、間違いとか、

拗らせたとかは、思ってない。


それに、子供が出来たらって

言う条件でも、俺は、幸恵から

離れる事は、無いと思う。


ありがとう、誠。


家、見えて来たね。

うん。


玄関の前に着くと、

お母さんがいた。

お母さんは、とても嬉しそう。

すぐに、茶の間に、案内されて

お父さんが、微笑んで、

見ていた。

お父さん、お母さん。

幸恵さんを、下さい。俺には、この人しか、考えられません。俺の人生掛けて、幸せにします

お願いします。

そう言って頭をさげる。


お父さんは、嬉し涙を、流し、

お願いします。娘を、守って

あげて下さい。と、頭を下げた


お父さん、頭を上げて下さい。そう言って、ハグをする。

お父さんは、感極まって、

泣いてしまった。


そこに、幸恵も、ハグをして

言う。お父さん、

今まで、ありがとう。大切にしてくれて。守ってくれて。

幸恵が言うと、お父さんは、

余計に泣いてしまった。

俺も、幸恵も、

目に涙が、溜まる。

お母さんが、お父さんの、背中を擦る。

どれだけ、お父さんが、幸恵を

大切にしてきたか、

この、涙が物語っていた。


お父さんが、落ち着くのを

待ってから。


お父さんから、

許可を頂いたので、婚姻届を

明日にでも、提出したいと、

思っています。と俺は言った。


お父さんとお母さんに、

宜しくね。誠君。と言われ。


無事報告を、済ませられた。


帰り道、幸恵が、

やっぱり、

お父さん泣いちゃったなぁ。

と呟く。

大切に、育てたんだって、

俺にも伝わったよ。。

ちょっと、うらやましいな。

と、俺も呟く。

彼女が、俺の手を握る。

2人で歩く、帰り道。

冬の寒さも、忘れるくらい、

暖かい思いに触れられた、

そんな、1日だった。











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