第41話 説明

起きてから、すっかり、

考え込んでいた。と言うより、ここまで、来てるのに、

俺の事を、ちゃんと、話して

おかなくて良いのかと、

言う葛藤が、ざわざわと、

沸いたからだ。曖昧に、濁さず

ちゃんと、話そう。全部。。。


誠。どうしたの?

座って、考えた込んでいた所、

声を掛けられて、

ハットする。


少し沈黙して。。

幸恵、聞いて欲しい話しが、

あるんだ。。


そう。わかった。


眠そうに起き上がった、彼女は

珈琲を、入れてくれた。


誠。こっち来て。呼ばれて、

テーブル越しに、向かい合う。


話しって、誠の事?


そう。俺の事。


なんと無くさ、分かってるよ。

でも、誠の口から、聞きたい。


幸恵に、今までの、過去の、

話しをした。


幸恵は、黙って、たまに、

相づちを打って、聞いてくれた


話し終わると、


そう。たまに、誠。

母さん、何でって、うなされてたから。さ。

何かあるんだろうなって、

思ってた。


そっか、俺そんな事。。


親が、いない、家だって、

バレないように、さ。

学校は、休まないで、通ったし

色々、頑張ったんだ。。

それでも、母さんが、帰って、

いや、居てくれなかったから。

それで、うなされてたのかな?


すっと、彼女が立ち上がると、

フワッと、俺を抱き締める。


誠。大丈夫だよ。

わかったから。もう、

悩まないでいいよ。

私が、ずっといるからね。

私が、側にいるから。


胸の奥から、涙が、溢れて。

嗚咽を漏らす。

暖かい彼女の、熱に、心が、

溶かされて行く感覚。


心が、静まり、幸恵に言う、

俺、幸恵と知り合って、

泣いてばかりだな。


いいよ。

誠、頑張ったんだよ。

前に、前にってさ。普通なら、

誰でも、めげちゃう所をさ、

頑張ったんだよ。

頭を、優しく撫でられ。

俺は、鼻をすする。


何かに、許されたような、

スッキリした感覚があった。


生まれて初めての、

大泣きだった。しかも、

幸恵の前で。でも、不思議と、恥ずかしいとか、そう言う

感じは無くて。。

只、心が、軽くなった。。


暫く、幸恵に、抱き締められていて、俺が、落ち着くと、

ほら、いい男が、台無しだよ。

そう言われて、


グシャグシャの顔を、

洗面所で、流した。。。


はぁ。スッキリした。

洗面所から、戻ると。


幸恵が、これで、

お互い、隠し事無しだね。

そう言って、にっと、笑った。


そうだね。ありがとう、

聞いてくれて。

スッキリしたよ、本当に全部。


それなら、良かった。

そう言って、彼女が、笑った。


彼女と言う、存在に、

本当に、救われた。

子供の頃に、どこか、

病んでいた心の傷が、

癒されて行くのを感じた。。。
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る