第36話 初日の出

初日の出を見るため、俺は、

高速の、入り口を上がる。


え、こんな道走って来たっけ?

幸恵が、呟く。


もともと俺は、

幸恵の、意見次第だったが。


日の出の見える無理の無く行けそうな、ポイントを、

調べてあったのだ。


どこに、行くの?こっちを見て

幸恵が、言う。


サービスエリア。


それを、聞いて、

もう。疲れてるくせに。

そう、頬を膨らませる。


ごめんね。俺が行きたいんだ。

そう答える。


静岡方面に、一時間ほど走ると

それほど大きくない、

サービスエリアに到着した。

あたりは、明るみを帯びていて、日の出は、もうすぐと、言った感じだった。


駐車場には、まばらに車が、

停まっていて、同じ事を、

考えている、人達が、

集まってる感じだった。


疲れてる前提の俺が、

無理してる事が、嫌なのだろう

ちょっと不機嫌な、彼女。


それを察した俺は、

来年は、真っ直ぐ、帰るからさ

今年だけ、付き合って。

と、笑顔で諭す。


うん。彼女が、

ちょっと元気無く答える


幸恵の手を握り、地平線に、

二人で、日の出を待つ。


すうっと、光が出て。。

ゆっくりと、太陽上がる。


綺麗だね。彼女が、言う。

そうだね。と、俺が言う。


暫く、日の出を眺めてから、

帰ろうか。と、彼女を見て、

声を掛ける。


まだ、俺が無理をしてる事を

考えていたらしく。ちょっと

暗い。それでも、

ありがと。連れてきてくれて。

そう、言ってくれた。


彼女のその顔を見て、

そうだよな。と、反省した。

逆の立場なら、俺も、

幸恵に無理させたりと思うと、

嫌だもんな。。

ちょっと、気持ちが、

はしゃぎ過ぎたな、と反省。


俺は、確かに、こうしたいから

やったわけで、でも、相手が、いる関係なのだから、今度から

お互い、楽しい所の、バランス

を、考えて、行動しないとな。

と思った。


サプライズなんだけど、

本当の所。そこまで、

考えて行動しないと、

幸恵に、気を遣わしてしまう。

それだと、本来の意味が、

無くなってしまうんだな。

そう実感した。


車に、戻る時、幸恵が、

あのね。誠。サプライズは、

嬉しいけど、

殆ど、寝てないんだから、

ちゃんと、

自分の体大事にしてよ。

そう、苦笑いして、俺を諭した


それには、俺も、苦笑い。

心配させて、ごめん。と謝り。

次は、要相談だね。

と、彼女に言った。。


初日の出の、サプライズは、

失敗したけど。少しだけ、

また、大人になった気がした。






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