第35話 帰り道

参拝からの、帰宅途中

コンビニで、車を停める

深夜のコンビニは、

日中とは違い、

人が全くいない。

駐車場も、俺の車1台だけだ。

ふぅ。と、息を吐く。

年が、変わる事に、

何かを、感じた事は無かったが

今年は、違う。

一人じゃないから。


二人で、店に入ると、順番に、取り敢えず、トイレを済ませ


二人揃った所で、飲み物を選ぶ

俺は、当たり前の様に、

珈琲を手に取る。

それを見てた、幸恵が、

誠って、

珈琲しか、飲まないよねぇ

そう、聞くように言った。

うーん。そうだね。

小さい時から、飲んでるから

例えるなら、水とか、お茶と

同じ感覚なんだよ。と答える。

幸恵が、きょとんとして、

珈琲が?

そう。俺が育った家は、

お茶とか、ジュースとか、

全く無くて、

珈琲は、必ずあってさ、

だから、飲み物って、

水か、珈琲飲んでた。


そうだったんだ。

と、幸恵が、

呟く様に、言った。


幸恵は、何飲むの?


うーん。紅茶かなぁ。


レジで精算すると、店を出る。


店内と、外の温度差に、身震い

する。

寒っ。二人で声を揃える。

そそくさと、車に乗り込み、

まだ、温もりの残る車内に入る


座ると同時に、パシュっと、

珈琲のプルタブを空けると、

取り敢えず一口だけ飲んで、

ドリンクホルダーに差す。


幸恵が、手を温める様に、

紅茶を握りながら、俺を見て

来年も、連れて来てくれる?

と言った。


もちろん。と、笑顔で、

即答する。


嬉しそうに、うん、と頷く。

幸恵。


この後さ、初日の出、見るまで、起きてる?

俺が、聞く。


うーん。少し眠いかも。でも、

一緒に見たいね。


それじゃ、見てから、寝よっか

そう答える。


そうしよ。幸恵が、微笑む。。


じゃあ、行くよ。

一声掛けてから、

車を、ゆっくり走らせて、

まだ、暗い道を、

家まで走った。。。







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