第33話 初詣

夜中に出たこともあって、

神社の近くまでは、

道路も空いていた。

しかし、後、1キロが、長い。


今、あり得ない程の、渋滞。


進まないねぇ。幸恵が呟く。

進まないねぇ。俺も、呟く。


俺の、車は、改造車なので、

強化クラッチが、入っていて、

とても重い。

渋滞だと、左足が、吊りそうだ


そろそろ、

結婚も、視野に入れて、好きな

車じゃなくて、広い車に、乗り換えようかと、

真剣に考えている。


あ、前、少し進んだよ。

幸恵が、教えてくれて、

俺は、ちょいちょいと、

車、1台分くらい、進む。。


ずっと、その、繰り返し。


あ、灯り見えてきた。

幸恵の顔が、ぱぁっと、

明るくなる。


後、100メーターくらいかな。

俺が、呟く。

そこで、

ラジオから、時報が鳴る。


あ。日付変わったね。


明けましておめでとう。

俺が言うと、

明けまして、おめでとう誠。

今年の、年越しは、

車の中だったね。


うん。普通に、神社着いてから

だと、思ってたよ。。


のろのろと、車が進む。。。


そうしてる間に、神社の近くの

正月限定の、駐車場が、

見えてきた。

俺は、誘導してくれてる、

オジサンの、指示に従い、

駐車場に、車を停める。


車から、降りると、

あー。尻いてぇ。声が漏れる。

お疲れ様。疲れた?

幸恵が、心配そうに、俺に聞く


このくらい、

大丈夫だよ。そう答える。



オジサンが、近づいて来て。。

ニカッと、笑うと、

1000円。と言われ、

財布から、

お金を払うと、

寒い、神社への道を、

幸恵と、手を繋ぎ歩く。


ピョンピョンと、軽く跳ねる、彼女のは、子供の様に、

嬉しそう。


こんなの見たら、腰とか、

尻とか、左足の、痛かったのも

吹き飛んでしまった。


参拝の道が、矢印で、表示して

あって、その、道に従い進む。


急勾配の、石の橋が、

掛かっていて、幸恵が、

転ばないように、しっかり、

手を握った。


ありがと。誠。でも、ちょっと

危ないね。ここ、暗いから。


そうだね。確かに。

言ってる側から。ダダダと、

後ろから、

走って来た子供が、スッ転ぶ。

すると、

パッと、手を離し、幸恵が、

子供を、優しく起こす。

五、六歳くらい、だろうか。

その子に、

走ったら、危ないよ。

痛い所無い?大丈夫?

優しく声を掛ける。

子供は、大丈夫。

と答えていた。

パパとママは?

そう聞く側から

すぐに、その子のお父さんが、

走ってきて、すみません。

見失っちゃって。

と、幸恵に、一礼して、今度は、ちゃんと手を繋いで、

その場を去った。

幸恵は、

小さく手を振って見送っている

それを、見ていた俺は、

ポンと、背中を叩き、優しいね

と、声を掛ける。


普通だよ。そう言って、俺の、

手を握り直し、再び、

参拝のルートを歩く。


参拝の入り口は、大きくて、

綺麗な、飾り付けがあり、

それを、見て。

うわぁ。

と、幸恵が、声をだす。。


二人で、暫く、その場に、

立ち止まり。

ゆっくり眺めてから、

再び、歩き、

せぇので、お賽銭を投げて、 

二人で参拝した。

人混みを抜けると、


ねぇ。誠は、

何をお願いしたの?


仕事と、幸恵の家族の事かなぁ


幸恵は?


誠が、怪我しないようにかなぁ


そっか、ありがと。

俺は、微笑む。


幸恵、おみくじ引こうよ。


あ、いいね。やりたい。


お金を、箱に入れて、

二人で、おみくじを引く。


あ、大吉だよぉ。

パッと、俺に見せる。


俺は。。。あ、でも、中吉。

まぁ、まぁ、だね。


二人で、おみくじを、読み、

幸恵が、待ち人来る、驚きあり

だって。うーん。誠は、もう、居るから、赤ちゃんの事かなぁ

と、考えながら呟く。


何か、良い感じだね。と笑う。

俺のは、まぁ、良くも、悪くもって、感じだよ。


あそこに、おみくじ、縛れるよ

俺が声を掛けると、

うーん。と考えて。

私、持って帰る。

幸恵が、

おみくじを財布に、しまう。


じゃあ、俺も、幸恵と初めて

引いた、おみくじだから、

持って帰ろ。と、同じく、

財布にしまう。。











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