第32話 大晦日の夜に

ふと目を覚ますと、部屋は、

真っ暗。。そして寒い。。

時計は、7時ちょっと過ぎた所

腕は、痺れ。手の感覚が無い。


左腕を、枕に幸恵が、

すぅすぅと、寝ている。


そっと、腕を引き抜くと、

痺れた腕を、軽く回しながら、忍者の様に、静かに、

暖房を着ける。


フアンヒーターの、作動音が、ジジジと、鳴ると、

幸恵が、起きてしまった。


まことー。今、何時ー。

寝ぼけた様な声を出して、

俺を呼ぶ。


暗がりに、座っていた俺は、その声で、立ち上がり、

明かりを着けると、

7時15分だよ。と答えた。


ムクッと、起き上がり、

首に手を回し、

何か、首が痛い。。と、呟く。


俺の腕、

枕にしてたからじゃない?


あ、そうだ。枕にした。

ちょっと太かったけど、

くっついてたら、寝ちゃった。

てへへ。と、苦笑い。


幸恵が、起きたんじゃ、

蕎麦でも、食べる?


うーん。、寝起きだから少し

待ってて。私が作るから。

そう言いながら、伸びをした。


わかった。テーブルの上に、

ある、ミカンを食べながら、

俺が答える。


それにしても、冷えるね。

布団から出て、両腕を掴んだ

格好で言う。


俺も、起きて、

ジャンバー着たよ。寒いから。


私も、着よ。寒い。と震える。


二人で、部屋が暖まるまで、

ジャンバー姿で、くっつく。

ファンヒーターの、側で。。


ねぇ。初詣。何時行くの?

朝から?お昼?手足を、温風

に、かざしながら俺に聞く。。


スッと立ち上がり、彼女の、

背中に回り、座り直す。

暖かい。と、幸恵が呟く。


初詣は、せっかく、

一緒に居るんだから、今日の、夜中行こうか?

幸恵に、後ろから、手を回し

そう話しかける。


夜中って、何時?

俺の手を掴みながら言う。


夜店の出てる、大きな所行きたいから、23時位には、

支度しようか?


夜店?


うん。夜店


何が、有るの?


たこ焼きとか、イカ焼きとか、

射的、わたあめ、うーん。

りんご飴に、甘酒?

色々だよ。取り敢えず、

思い付くものを並べた。


お祭りみたい。そう言う神社

行った事ない。嬉しそうに、

身体を揺らす。


在るんですよ。そう言いう

神社。 自慢気に言う。


クルット、こっち向いて、子供

見たいな顔で、

楽しみ。と言って抱きつかれ、

俺は、後ろに倒れた。


そのまま、彼女の頭を撫でて、

幸恵が、喜ぶと思って、

こっちは、リサーチ済みだよ。

と、笑う。


誠。大好き。と言って、顔を、押さえられ、チュと、軽く

キスをして、嬉しそうな、

幸恵。


あ、そうだ、お蕎麦食べよ。

今作るね。そう言って、

浮かれたように、立ち上がる。


後ろから、幸恵の料理を、

作る姿を、見てると、

動きが、綺麗なんだよなぁ。

姿勢が、良いって言うか。

ボーッと、眺めてると。

お待たせー。


あっという間に、蕎麦が、

出て来た。


幸恵は、何時も、出汁から、

作る。後から聞いた話しだが、

お母さんが、料理教室を、

する程、料理が、上手く、

それを、教えて貰ったらしい。


どうりで、お母さんの、

ご飯、美味しかったわけだ。


蕎麦と言うか、

蕎麦つゆから、とても良い匂い


幸恵が、前に座り、

さ、食べよ。と、ニコッと笑う


頂きます。二人で声を合わせ、

食べ始める。

蕎麦をすすると、

出汁から作ってくれた、

汁が本当に美味しい。


美味しい。こんなに、美味しい

蕎麦、食べた事ないよ。と、

ずるずる、すする。


それを聴いてる、幸恵が、

大袈裟だよぉ。

クスクス笑う。


いや、本当だって。

本当、美味しい。

やっぱり、基本が、成ってる

人が、作るとこうも違うんだ。

感心して。一人頷きながら、

あっという間に、

食べ終わってしまった。


ご馳走さま。美味しかった。

ありがとう。


どういたしまして。幸恵が、

箸を止めて、微笑む。


年越しそばも、食べ終わり、

どんぶりを、下げてから、

横になる。。


少しして。洗い物を、終えて、

幸恵が、自分の部屋に、お化粧しに戻る。


何時も以上に、

綺麗な幸恵が、部屋から、

出て来た。

どぉかな?


綺麗だよ。本当に。


そう言うと、幸恵は、ニッコリ

微笑み、ありがと。と返した。


忘れ物の、無いように、

確認すると。

 

行こうか。

玄関から、出て、幸恵の

手を引いた。。

























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