第28話 彼女の友達


寒っ。俺は、

あまりの寒さに、起き上がった

そのまま、

温まるため、湯船にお湯を張る

音をなるべく立てないように。


でも、幸恵は、少しの音でも、

毎回、起こしてしまう。


おはよ。誠。お風呂の音?


うん。寒いから、湯船張ってる

まだ、寝てていいよ。


うん。私も、入るから起こして

そう言うと、布団に潜った。


10分程で、半分以上溜まった

所で、布団に潜ってる、

幸恵に、ポンポンと軽く叩いて

お風呂出来たよ。と声をかける


うーん、わかったぁ。

布団の中から、頭だけ出して、

幸恵が答えた。


寒いから、先に入ってるね。

そう言うと、俺は、風呂に向かった。


丁度、頭と身体を、

洗い終わったタイミングで、

幸恵が、入ってきた。

寒い、寒い、寒い。と連呼しながら。


湯船に浸かってる、俺を見ながら、

誠が、先に入ってるから、お風呂場は、暖かいね。

そう言いながら、シャワーを浴びた。彼女の、シャワーは、

男の俺と比べて長い。

すっかりのぼせぎみの俺は、

先に上がるね。と言って、

風呂場を後にした。


さっと、スウェットを着ると

パンを軽く焼き、タマゴサンドを、作る。


丁度、いいタイミングで、

白い肌が、

うっすら赤く染まった、

幸恵が出てきた。

いい匂い。あ、タマゴサンド

作ってくれたの?


うん。食べるだろ?


うん。ちょっと待って。

髪、乾かしたら、すぐ食べる。


その間に、珈琲を立てる。


お待たせー。

あ、待っててくれたの?


まぁ。一緒に食べた方が、

美味しいから。と俺は答えた。


ふたりで、朝食を済ませると。


あ、めぐみから、メール来てた


めぐみちゃん、何だって?


うちに、遊びに来たいって。


誠。呼んでいい?


別にいいよ。呼べば?

俺どうする、外出てようか?


気を使わなくていいよ。

向こうも、誠いるの知ってるし


邪魔にならなきゃいいけど。


そんな事ないよ。


そう?で、何時来るんだろ?


今、メール返したから、

メール待ち。


そんな会話をして、スウェットから、普段着に着替える。


そうしてるうちに、メールが、

届き。えー。と、声を出す。


もう、近くに来てるって。


近くって?と俺が聞くと。


ピンポーン。と、呼び鈴が鳴る


来た。


幸恵が、そそくさと、着替える


誠。ちょっと待って貰ってて。


ああ、わかった。と言って、

玄関に向かう。

ドアをちょっと開けて、見ると、新聞の勧誘だった。。


俺は、食い下がる勧誘を、

何とか断わって。。


ふぅと、息を吐いた。

紛らわしいなぁ。ほんと。

と、声を漏らした。


それを見ていた、幸恵が、

誠、断わるの上手いね。

と、褒めてくれた。


そこから、15分くらいすると

また、ピンポーンと、鳴った。


ドアスコープから、覗くと、

今度は本物みたいだ。

ドアを開けて、二人で、

出迎える。


幸恵が、すぐ側って、

どこにいたの?

玄関で、そう聞いた。


ゆきの家の側の、ファミレス。


それを、聞いた、幸恵が、

だったら、そう、言いなさいよ

と苦笑いで、言った。


お邪魔しまーす。と言って、

めぐみちゃんが、上がって来た


どうぞ、座って。俺が、促す。

すると、めぐみちゃんが、

結構、広いんだね。

結婚しても、ここに住むの?


幸恵を見て、聞いている。


うん。その為に、誠が、私の

家の近くに、引っ越したの。


それを聞いて、

愛されてんなー。

と、めぐみちゃんが言った。


珈琲か、紅茶。飲みます?

俺が聞く。


こっちを見て。めぐみちゃんが

すみません。じゃあ、紅茶で。

そう、答えた。


楽しそうに、幸恵と会話してる

俺は、ほとんど会話に、口を

出さないで、聞いている。


不意打ちのように、

めぐみちゃんが、俺に、

話題をふる。


誠さんて、静かだよね。

ひょっとして気を使ってる?


それに対して、俺は答えた。

いやぁ、気を使うも何も。

女の子の会話、難しくて。


そうなんだぁ。ごめん、ごめん

そう言って、また、幸恵との、

トークが、花を咲かせた。。


2時間程喋って、

お昼前くらいに、

彼女が、帰った。


幸恵が、側に来て、

ちょっと気まずそうに。

ごめんね。誠。

つまらなかったでしょ。

そう言った。


そんなの気にすんなよ。

幸恵の、友達だろ。

別にさ、

たまに来る、友達に、文句は、

ないよ。と笑う。


ありがとう。誠。


そう言って、

幸恵に、ハグされて。

俺も、ハグで返す。


うーん。落ち着くなぁ。

幸恵が、呟く。

少し、そのまま、

抱き合って。


今日の内に、

たんまり買った食材の調理を、

してしまわないと。と、幸恵に、言う。


明日は、大晦日だもんね。

幸恵が、冷蔵庫を開ける。。
















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